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縮んだニットを大きく!伸びたニットを小さく!

買ったセーターが着てるだけで縮んじゃう・・・

水洗いしたら縮んじゃった・・
水洗いしたら伸びちゃった・・

直せる服と直せない服はあるけど、丁寧に洗ってる服だったら縮んだ服は伸ばすこと、伸びた服は縮めることができます。

今回は巾だし、いせ込みで直す修正仕上げのご紹介です^^

縮んだセーター伸ばして!伸びたセーター縮めて!

家庭洗い型崩れ(縮み・伸び)したセーター修復仕上げ

今回の事例参考価格
※ 袖のみ、横幅のみ、丈出し、全体修復など修復する範囲と手間で金額が変わります。

今回のジップ付きカーディガン巾だし    3850円
できる限り大きく全体を巾出し修正

今回の水色セーターいせ込み(縮める)   4400円
お客様のサイズ指定にできる限り合わせるようにいせ込み

※ ウール製品はフエルト化(硬くなって縮む)している場合、巾だし修正はできません。
  新品のサイズダウンなど原寸より大きく縮めることは基本出来ません。



カシミヤアンサンブル~お母さんの形見・臭い取り&風合い復元~事例

着てるだけでも縮むニットってどうして?

買ったばかりはピッタリなのに着てるだけでなんか縮んだ気がする・・・ってありますよね。
これは気がする・・・ではなく縮んでいるんです。

ニットを織る時、テンション(張り 引っ張る力)がかかっていると、湿気を含んだり着て動いたりしていると引っ張られていない自然な状態に戻ろうとするため縮みが出るんです。

これは縮むというより自然な状態に戻るだけですが、引っ張られている状態がベストサイズの場合は小さくなってしまいます。

手編みの場合、編みあがったらスチームでよく蒸す、一度水通しして目詰め処理をしておくと着用中の縮みは出なくなりますし、水洗いでの縮みも出にくくなります。

もう一つはセーターが編みあがり、出荷する前にスチームでよく蒸しサイズを大きくしてある製品です。
蒸して大きくすることで繊維の目も広がり空気を含むためふんわりと柔らかく軽い感じの風合いになるんです。
目が詰めると硬く重たく感じます。

風合いを良くするためにこの処理をされていると着ているだけで縮んでいきます。
これも縮むというより元の自然な状態に戻るだけなんですがこちらの方が縮み幅が大きく出ることが多くなります。

この状態は巾だし修正が簡単にできますが洗うと元の状態に戻ってしまいます。

服を洗うにはどうしたらいい?

まずは全ての服に共通して言える大切なこと。

基本的な洗い方は品質表示ン見つけられている洗い指定通りに洗う事です。
この表示は服の保証書の役割をしおり、メーカーが法律基準に則ってテストをし不具合が出ない洗い方を指定しています。
指定通りに洗って不具合が出た場合は電化製品などと同じように保証責任があるため、保障の元で洗うことができます。

この品質表示の役割はと手に大切だけど知らない人が驚くほど多いので覚えておくといいでしょう。

普段よく使う服を購入するときも品質表示を見て水洗い可能の服を選ぶと安心して洗えます。

服の品質とかメーカーの服作りの考え方なども表示から読み取れます。
例えば、水洗い不可となっている夏物の服。ドライクリーニングでは汗が落とせません。

表示から読み取れるのは、服に汗を付けないように着てください、って言っているのと同じ・・・
汗、汗のにおいを落とさなければ着られないとしたら、水洗いをするしかありませんが、メーカーは保証しませんってことだから自己責任で洗うことになります。

中には水洗いもドライクリーニングも不可となっている服もあります。
メーカーはこの服は洗うことができません、と言っているのと同じですね。

服は作ってるけど、洗っても問題ない服作りはしていないのかな?って表示から読み取ることができます。

色んな意味で、とても大切あ品質表示ですので、覚えておいてください。

ウールニットを水洗いして出る不具合

ウールニットは編まれ方、編まれた後の処理方法次第で洗った時の縮みの出幅も変わります。
縮む場合、全体がそのまま小さくなるのではなく、形がゆがみ型崩れも起きてしまいます。

品質表示で手洗い可となっている場合、縮み変形が出ないよう目詰め処理されていますが、水洗い不可の場合だと水に浸けるだけで縮み歪んでしまう服もあります。

水洗い不可となっていても実際に洗ってみるとほとんど変化が出ないしっかりとした服つくりをしているメーカーもありますが、この辺りは実際に洗ってみた結果を見ないとわからないんです。



ウールニット洗い方

ウール自体は水に浸ける程度では縮みは出ません。
生きている羊が雨に濡れて毛が縮んでいたら生きていけませんから・・・

水分を含ませた状態で揉んだりすることで縮みが出ます。
水分を含んだ時に出る不具合はゼニアジャケットクリーニングという記事で説明していますので下の方にリンク張っておきますのでご覧ください。

洗い方はバケツや桶など使い手で押し洗いします。
ウールは疎水性といって水を弾きます。水洗いを繰り返すとこの疎水性が壊れてしまうんですが・・・

洗濯機の祖父洗いモードなどでは水流が弱すぎて洗剤が浸透せず浮いたままくるくる回っていたりします。
洗濯機で洗う時は水がたまったら洗剤を良く溶かし服を入れたら押し洗いをします。
しっかり洗剤を浸透させて押し洗いした後を洗濯機に任せます。

洗濯機でも手洗いでも洗剤は中性洗剤を使い、ゆっくり洗剤を浸透させるように、浸透した洗剤を押し出すように押し洗いします。
ウールはアルカリで繊維が溶けて痩せてしまうため使うのは中性洗剤です。

洗剤を少量入れて手でかき回したらセーターを入れ押し洗いをし、泡がスッとなくなったら洗剤が足りていない証拠。
洗剤を少量足して泡が消えない程度が適量です。

洗い終わったらバケツに水を入れ同じように押し洗いを2回、最後に柔軟剤に漬け込んで脱水します。

汚れを落とそうと揉んだりしないこと、干す際は水分を含んだ自重が重たいと感じたら形を整えて平干しします。

縮んだウールセーター巾だし修正仕上げ

ウールセーターは縮んでもフエルト化して硬くなっていなければ巾だし修正することができます。
今回も家庭で洗い縮んでしまったカーディガンですが、どのくらい縮んだのかお客様ご自身もよくわからない・・・

かなり縮んだからできる限り伸ばしてほしいというご依頼でした。
袖丈10センチ程度、胸元など胴回り20センチ程度の巾だしすることができています。

手仕上げができる個人クリーニング店ならできるお店は多いと思いますがチェーン店だとちょっとできないかな・・・

スチームでよく蒸し、疑似的に濡れた状態を作り巾だしをし、スチームを抜いて冷ますことで巾だしした形状が固まるように固定します。

クリーニング店の仕上げの基本なのですが、機械仕上げではできない修復技術になります。

アクリルニット 洗う時の注意点は?

アクリルはウールの特徴とよく似た、ふんわりとして保温性もある素材です。
繊維の間に小さな空気の穴があり、空気を含むことでふんわりと、その空気の層により保温性もあるという素材です。

難点は毛玉ができやすいこと、毛玉ができると簡単に取れなくないことです。

でも、価格も安価でウールと混紡されたニットもたくさん出ていて、アクリルが混紡されると水洗いもしやすい素材となります。

アクリル自体は水分をほとんど吸収しない素材で乾いている時はとても軽い素材。

でも水分を吸収しないのに水洗いするとものすごく重たくなる・・・どうしてなんでしょ・・・??

アクリルニットを水アリアするときの注意点は?

アクリルニットは水洗いしやすい素材です。
ネットに入れればほとんどのニット製品は洗濯機で洗るのもメリットです。

ただ毛玉ができやすいので、新しいうちはバケツなどで揉まないよう押し洗いしたほうが洗濯時の毛玉はできにくくなります。

アクリルは繊維自体はほとんど水分を吸収しない素材ですが水洗いするとすごく重たくなる・・・
この理由はアクリルのふんわり温かい特性があるからです。

繊維の間にある空気の穴に水洗いすると水が入り込み重たくなるんです。
脱水すると一気に軽くなるのも繊維自体は水分を吸収ししないため穴に入り込んだ水が出ていくからです。

洗い方のコツは、水につかっている時の重たくなったニットの動かし方です。
部分的に手でつまんで持ち上げるとそこだけ伸びて型崩れ起こすんです。

洗う時も同じく、重たくなってる状態で強く洗う、特に洗濯機にネットも入れずに洗うと水分を含んだ重みにより伸びたりして型崩れを起こすんです。

だから、洗濯機で洗う場合は洗濯ネット必須です。必ずネットに入れて洗いましょう。

バケツで手洗いするときはつまんで持ち上げず下から大きく抱え込む感じで持ち上げます。
手洗いでもネットに入れたほうが扱いやすいです。

ネットを持ち上げれば自重で伸びたりなど起こすことなく移動させることができます。

アクリルはアルカリ洗剤で洗っても大丈夫な素材ですが、バケツなどで手洗いする場合はアルカリで手荒れを起こすことがあるので注意してください。

干し方は言葉での説明は難しいのでリンクを張っておきますね。

下記をクリックして平干しの参考にしてください^^


伸びたニットを縮めるいせ込む修復仕上げ

巾だし修正するより縮めるいせ込み修正のほうが難しくなります。
こうして紹介していますがすべてのニットを縮めることができるわけではありません。

今回はお客様からの指定サイズにできる限り合わせてみます、という事でお受けしています。
胴回りで20センチ位、袖丈は8センチ位いせ込んで縮めています。

お客様の指定サイズ通りまでいせ込むことができています。

巾だし修正と同じようにスチームを大量に含ませ疑似的に濡れ時のよ0うな状態を作り、少しずつ詰めて、スチームを抜いて固定し、またスチームを含ませて詰めて固定し・・・の繰り返していせ込んでいます。

巾出し修正と比べ数倍の手間と時間がかかります。

いせ込み修復はできるお店が個人店でもとても少なくなってきています。


ニット洗いまとめ

個人店が少なくなり、手仕上げをしてくれるお店も少なくなっています。
こうした作業はアイロンでの手仕上げになるためチェーン店へ持ち込んでもおそらくは断られると思います。

クリーニングの仕事で難しいのは洗いでもしみ抜きでも色修正でもなく、修復仕上げや地直しをしてデザインを直す修復仕上げなんです。

今回は巾だし、いせ込みという技術のご紹介でしたが、一番大切で覚えておいてほしいことは品質表示です。

ゆうゆうでは店頭やお電話のご相談でもお客様にこの表示の説明を良くしているのですがほとんどの人が聞いたことがないと言われます。

表示の意味を知ることで自分が買おうと思う服の品質も予測できるし、何よりメーカー保証の元で服を洗う事ができるようになります。

知り合いやお友達、家族もきっと知りませんから・・・自分の周りにいる大切な人たちにはぜひ教えてあげてください^^



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