おしゃれ工房You友（ゆうゆう）　大友　眞吾です。

アトリエ　サガンの麻カーディガンです。

白い綿、麻製品は水洗いができないと白さを維持するのがとても難しい・・・というより不可能・・・

2～3年もすると色がくすんできたり黄ばんだりしてきます。

洗い指定を見て水洗い不可とされている真っ白の綿、麻製品を真っ白のまま洗いあげてくれるお店は、

素材の特性と洗い方を熟知し丁寧な洗い方をしてくれている品質の高いお店。

真っ白のまま洗い上げてくれるお店って実はとても少ないんです、

今回のアトリエ　サガンの麻カーディガンは淵周りにレース編みされた装飾、胸元にもとてもきれいな花の装飾が付けられています。

このデザインで水洗い不可表示になっていると、水洗いをしてくれるお店はないんです。

白い部分の白さを維持していくだけであれば色がくすんだり黄ばんだりする前に水洗いをしていく事で白さが維持できます。

色がくすんだり黄ばんだりしてしまってから白い部分の白さを復元するんぽはとても難しくなります。

色の差がわかるよう、白い紙を入れて撮っています。

ぱっと見は生成り色とかオフホワイト？って感じに見えていました。

お客様は新品時の色を覚えていますからできる限り白く戻してほしい、そんなご依頼です。

アトリエサガンのニットはデザインに凝っているのでほとんどのボタンは飾りボタンです。

色の白さを復元させるために、色止め、防縮、色が出ても滲まないよう移染防止と順番に加工をし、

白さを戻す復元洗いをしていきます。

作業中に飾りが取れたりしないよう、通常の3～4倍の厚みがある保護用アルミで包んで保護していきます。

それでも完全密閉はできないので飾りを貼り付けている接着剤が劣化してきていると飾りが剥がれ落ちたりします。

これは洗いの時だけではなく着用中に落ちてなくなってしまう事もよくありますが、接着剤で貼り付けている飾りボタンはある程度年月が経つと劣化して寿命が必ず来てしまいます。

色柄のある綿、麻製品は洗剤に浸け置きしたりすると色が滲んだり移ったりしてしまう素材です。

基本、浸け置き洗いはNGです。

洗剤や水に浸かっている時間に比例して色移りや色にじみは出やすくなります。

今回、このアトリエ　サガンは麻100％　の装飾付きなので、復元洗い1全行程で1時間程度ですがつきっきりで1点のみを洗っています。

1点を洗うだけで1時間。この手間をかけないと綺麗にできないから、クリーニング店にもっていっても綺麗にすることができないんです。

後ろ側です。

前は花の装飾などがありあまり目立たなかったけど後ろを見ると濃い黄ばみと薄い黄ばみでムラになっていました。

こうした全体的な黄ばみは空気中の湿気に溶け込んだ汚れの蓄積により全体的な黄ばみを作ることが多いんです。

ドリンクなどをこぼす、汗が付着する汚れ以外に、少しずつ確実に蓄積していくのが湿気に溶け込んだ水溶性の汚れです。

水溶性なのでドライクリーニングでは落とすことができないんです。

黄ばむほど蓄積してくると、水分が付いただけで茶色い輪シミになったりするようになります。

しみ抜きゆうゆうは手間がかかりすぎて通常のクリーニング店ではできない洗い方法で復元をしていきます。

普通のクリーニング品なら数十着洗って仕上げることができる時間を1点にかけるからできる仕事なんです。

このカーディガンは洗う前に寸法を測り、復元洗い後に仕上げ時に型崩れを修復しながら元通りのサイズに直して仕上げる修復仕上げをしています。

麻らしい手触りにするためサイジング加工剤を入れ、コロナウィルスも除菌できる抗菌加工をして仕上げていきました＾＾