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エルメスシルクスカーフ クリーニング&しみ抜き

シルクスカーフ参考価格

エルメスシルクスカーフ 
2500円(税込み2750円)~

シルク製品はしみがある場合、1か所ずつしみ抜きをしないと落とすことができません。

シミ抜きの場合はクリーニング代金+しみ抜き代金がかかります。

色柄部分にかかる古いシミは色も一緒に抜けることがあり、この場合はしみ抜き代金+染色代金がかかります今回のエルメス参考価格
11000円(税込み)
クリーニング・しみ抜き

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾 です。
エルメススカーフのしみ抜きです。

お母さんがお亡くなりになり、整理していたとき出てきたスカーフ。
他にもレオナールブラウスなどお母さんが大切に着ていた服など数点をお預かりした中の一点です。

ゆうゆうには、思い入れのあるお洋服がたくさん集まっています。
お母さんが着ていた服やスカーフをキレイにして私が使いたい・・・

お客様の気持と一緒にお預かりするモノはたくさんあります。
特にシルク製品って、シミが付くと落としてもらえない事が多い素材。

とってもデリケートで、しみ抜きすると簡単に色柄も落ちてしまったりするからシミを落としてもらえない代表的な素材となります。
画像はシミ抜きしたところ、葉っぱの先端の色がシミとともに抜けてしまったため色を入れ修正した事例です。元々の色が先端に向かって色が薄くなっているため、他の部分と見比べ違和感が出ないよう染色をして直しています。
この時の事例は⇛「グッチシルクスカーフのしみ抜き」

しまう時には見えなかったシミが時間とともに酸化が進み目に見えるよう発色したシミです。
この場合、シミの酸化とともに色部分も一緒に酸化されてしまうため、シミ抜きするとシミが付いた部分のみ色も一緒に抜けてしまう、という事例です。

シルク製品はシミが出て時間が経過すると酸化と一緒に繊維の変化が起き黄ばむんです。
変異による黄ばみが出てしまうと何をしても取ることも直すこともできないシミとなってしまいます。

このスカーフのシミも薄っすらと残っていますが限界です。
これ以上頑張ると繊維を溶かしてしまったり変質させて悪化させたりなどのリスクが出る可能性がとても高くなります。
画像ではよく見えないかもしれませんが、現物は結構目立っています。
黒ずんだポツポツとしたシミが何であるかは不明。

シルクの場合、このシミが付いてすぐにクリーニングに出してもシミが取れずに帰ってくる可能性が高いんです。

時間とともに浮き出てきたシミなのか、取れなかったシミなのか・・・

いずれにしても、不明なシミはシミ抜きの基本手順に従って順番に試しながら取っていきます。
こちらも不明なシミですが、赤っぽく見えているシミがあります。
先程のシミと比べ色が違っているので付いているシミは別のシミですね。

シルクは口紅がついても落としてもらえない事が多い素材。
口紅なら簡単に取れるんですが、取れない・・・

色味にほんのり黄ばんだ感じも見えているので、時間とともに酸化発色が進み濃くなったしみかな?

シミ抜きの手順に従って基本的には抜いていきますが、酸化変色まで出ているとシミ抜きの難易度は一気に高くなります。

しみ抜きする場合、しみ抜き剤を付けると浸透圧により広がります。
しみ抜き剤の浸透力、分解力を上げるために熱(スチーム)を掛けるとさらに広がるため柄に近いと柄部分の色が抜けたりもします。

しみの抜け具合と柄にかかったしみ抜き剤による変化を観察しながらシミを抜いていきます。
こちらも見えにくいけど、柄に近い部分にぽつぽつとしたシミがあります。
ここまで近いとしみ抜き剤は必ず柄部分にまで付いてしまいます。

先程同様、シミの取れ具合と色部分を観察しながらシミ抜きをしていきます。

いずれにしてもしみ抜きの手順通りにシミ抜きををしていくのですが、同じようなことを続けてい書いているのは、こうして1箇所ずつシミ抜きをしないと取れないからです。

クリーニングは丸ごと洗うこと、しみ抜きはシミが付いている部分のみを1箇所ずつ除去していくことになるんです。

だからクリーニングで取れないシミを落とす場合、シミの数×しみ抜き代金となるわけです。

クリーニング店でシミが落ちない理由でもあります。
この他にもシミは多数あったのですが、シルクスカーフの場合、クリーニングで落とせるシミはほとんどありませんので、一つずつシミ抜きで除去していきます。

シミ抜きの手順とは、
① 油汚れやシミを除去
② 水性汚れを除去
ここまでがクリーニング店でよく言われる通常しみ抜き。
これ以降は特殊シミ抜きとされることが多くなります。

③ タンパク質系の汚れやシミ、洗剤では落とせない色素系のしみを酸化分解
この段階では色素系のしみの種類により酸化だけではなく還元という、酸化とは反対の化学反応によるしみ抜き、古い血液などの場合は酵素分解などのしみ抜きが必要になります。

③以降のしみ抜きはシミの状態、しみ抜きしている時の繊維の状態や色の抜け具合をなどを確認しながら臨機応変にやっていきます。

酸化処理まで出来るお店も少ないと思いますが、酸化以降のシミ抜きまで出来るお店はごくわずかとなると思います。

最終手段は塩素系のしみ抜きになりますが、ゆうゆうの場合、塩素は年に1度使うかどうか程度です。
塩素は色んなものを分解もするし繊維も分解し脆化(ぜいか・糸が溶けて細くなる)させます。

色を抜いてしまうと塩素は糸が溶け、染まる場所も壊れてしまうため染めることが出来なくなったりもします。

シルク、ウール製品などタンパク質を含む繊維に塩素はNGです。
綿、麻製品でも使われている加工剤、真っ白でも蛍光増白剤が化学反応起こしてピンク色になったり、ひどく黄ばんだりするなどの事故はたくさん起きていますので注意が必要です。

今回は古いシミでしたが、ほぼ取り切れましたので、
お母さんの想い出とともに使って頂くことが出来ると思います^^

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