Blog
ブログ

帽子クリーニング グッチ帽子色あせ直し

帽子クリーニング参考価格(2021年9月現在)

帽子(野球帽)クリーニング参考価格 2021年9月現在)

基本クリーニング    1650円~

臭い、汗などを除去していくクリーニング方法になります。
(1点手洗いによる水洗い)

白い帽子で黄ばみが出ている場合は復元洗いが必要、
つばの根本など色変化が出ている場合は色抜けになるので染色しないと治りません。
(いずれも状態により工程が変わるためお見積りとなります。)

皮、毛皮付き、ウールやシルクなど色々ありますので、
参考価格は野球帽の形状となります。

どんな素材でもクリーニングできますが、お見積りとなりますので
お問い合わせください。

高額品、プレミア品、ブランド品は+50~100%が目安。

今回の帽子クリーニング参考価格
クリーニング+メーカーロゴマスキング、色あせ補色 8800円


金額参考価格表はこちら

クリーニングで改善できることとできない事

帽子クリーニングでのご相談は大きく分けると3種類のご相談になります。

① クリーニングで落とせる汚れと落とせない汚れ

② 変色はクリーニングで落ちない(黄ばみ)

③ 色抜けにより変色している場合(色褪せ・色抜けなど)

状態の応じて改善するための方法が異なります。



革、バック、靴など色直し事例はここをクリック!

①クリーニングで落ちる汚れ

帽子クリーニングは型崩れなど出さないよう、1点手洗いをするお店が多くなります。
クリーニングをしたい一番の理由は臭い取り。

かぶったときの頭の匂いって誰もが同じ匂いがします。
この匂いを取りたいというご相談が当店の場合だと一番多くあります。

もう一つは汗。
臭いと汗は水洗いをしていくことで取ることができます。

かぶった時、頭に当たる部分の黒ずみ等は洗うだけでは落ちない部分なので、ブラシがけ、しみ抜きして落としていきますが、依頼するお店によりどこまで綺麗に汚れを落としてくれるかが変わってきます。

汗と臭い、この黒ずみまでがクリーニングで落とせる範囲となります。

②クリーニングでは落ちない黄ばみ

白い帽子に多いのが黄ばんでしまった帽子のご相談です。
服が黄ばむのと同じように帽子も黄ばみます。

黄ばむ原因の多くは汗、使わなくても空気中の湿気を吸い込むことで蓄積していく汚れ、空気中の酸素による酸化で黄ばんでいったりもします。

この黄ばみは普通に洗っても落ちることがないんです。

黄ばんだ服をクリーニングに依頼しても取れずに帰ってきてしまうのと同じです。

黄ばみを除去してくれるお店はシミ抜きを得意とする個人クリーニング店しかありませんが、どこまでできるかは帽子の色や状態、依頼するお店の技量により変わります。

③色抜けによる色の変化

色が抜ける原因は色々とあります。
光があたっているだけでも色は分解され抜けていくし、太陽光、蛍光灯から出ている紫外線でも色は分解され抜けていきます。

空気中の湿気には汚れも溶け込んでいるため、湿気を吸い込むことで汚れが蓄積、空気中の酸素により酸化が進むため黄ばむし、酸化でも色は抜けていきます。

色の変化は今回の場合のように単純に色があせて白けた状態になる事もあれば、よくあるのはつばの根本が色が変色して色が変わってしまう状態です。

色は赤(マゼンタ)青(シアン)黄(イエロー)の3原色を混ぜ合わせて作られています。

3色の中で、抜けやすい色から抜けていきます。
どんな色でも3色を混ぜて作られているので、例えば青が抜けていくと残る色は赤と黄色になるので赤っぽい色になったり黄色っぽい色になったりします。

黒い服など衿が赤っぽくなるのは青が抜けてしまった状態。

赤が抜けていくと残る色は青と黄色になるので緑系の色にに変化します。
デュペチカダウンのカーキ色によくみられるのがこのパターンかな。

カーキ色から赤が抜け黄緑色に変化が良くあります。

クリーニングの必要性

色あせを直していく場合でもクリーニングをして汚れを落としていく必要があります。
先にも説明しましたが、色は空気中の酸素による酸化でも抜けたり変色したりします。

この酸化は酸化物(汚れ)が付着しているほど酸化が早く進むため、腐食が早まったり色あせも早くなったりします。

何より汚れの上から色を入れると、洗っても汚れが落ちなくなってしまいます。

それともう一つ、白い服って置いておくだけでも黄ばんでいきます。
これは白だから黄ばみが見えているのですが、黒青でも、どんな色でもでも同じように黄ばんでいるのですが見えていないだけなんです。

薄いピンク色とか水色の場合、ピンク色は赤に黄色を混ぜて作られ、水色は青に黄色を混ぜて作っています。

この場合、赤、青の色が抜けていくと黄色っぽい色に変化していきますが、酸化による黄ばみが出ても黄色っぽく変化していきます。

実際見た目では何の黄ばみなのか判断が難しい事もあります。

黄ばみを落とすことで色が回復することもあれば、色落ちにより黄色っぽくなっている場合はさらに色落ちが進み黄ばみが悪化してしまうこともあります。

薄い色の場合、黄ばみを落とす復元洗い、色を直す補正や染色の両方をやっていかないと直せないこともあります。

いずれにしてもまずはクリーニングで落とせる汚れを落とす、シミを取ることから修復を作業が始まります。

全体に白っぽくなった帽子の色直し

今回ご紹介のグッチ帽子は全体的に白けた状態になっています。

この場合は元の色が黒であれば黒で染め直しをしていきます。
丸染ができる帽子とできない帽子があります。

今回はつばがある野球帽タイプの帽子なのでまるごと煮込むような染工程をすると千葉の部分が縮んだり型崩れ起こしたりします。

この場合はまずはクリーニングをして汚れを落とした後、状態に合わせて染料、顔料を吹き付けて直していきます。

刺繍糸を染めないで残す染め直し

グッチのメーカーロゴが刺繍されています。
この刺繍糸を残して染める場合、刺繍糸にマスキングをして染めていきます。

ただし、マスキングテープを貼った周りは染色ができない部分が出てきます。
刺繍糸ギリギリまで染めることができないということです。

画像ではよく見えないかもしれないけど、刺繍糸周りは色あせた部分と染めた部分の色の段差が少し出ています。

色あせがかなり進んでしまった状態で染め直すと白けと染めた色の差が大きく出るため、目立つようになります。

色あせが進みすぎる前に色直しをしていったほうが色の差があまり目立たず直すことができます。

色の変化が出ている事例(黄色く色変化)

色の変化が出ている場合の事例です。
黒の帽子ですが、色抜けしている部分は黄色っぽい色に変化しています。

色は青、赤、黄色の順番で抜けていくことが多く、色抜けによる変化が出ている場合、赤っぽい感じに見える程度であれば青のみが少し分解され抜けた状態です。

まだ色抜けがあまり進んでいない状態ということです。

そこからさらに青が抜けていくと、次に抜けやすい赤も抜けていきます。
すると赤っぽい色から赤が抜けていくためオレンジ系の色へ変化し、さらに赤が抜けると黄色っぽい色に変化していきます。

これは帽子に限らず服でも同じです。

色変化事例②(赤っぽく変化事例)

こちらは日傘ですが赤っぽく変化しています。
少し、というより結構抜けていますが、ここからさらに色抜けが進むと先の帽子のように黄色みが強く出てきます。

この現象は綿の黒、濃紺のコートによくみられます。
タンスにしまってあっても開けるたびに光が当たる場所にずっと吊るしたままにしておくと、光があたった肩とか袖が赤っぽくなったりします。

ほんのり赤っぽい程度なら色補正でかなり目立たなくなるかきれいに直すことができますが、色抜けが大きく出てしまうと直りも悪くなっていきます。

黒いコートで黄色く光があたってた場所のみ線状にくっきりと黄色くなっている場合、染色ができない状態にまで繊維の痛みが出ています。

色を入れても繊維が染料を吸い込まず綺麗に直らなくなるんです。

繊維の状態を染まりが少しでも良くなるよう薬剤を使い回復させてから染めていきますが、それでもうまく染まらない状態になっていると直りがとても悪くなります。

帽子クリーニング・色直しまとめ

画像は黄色く色抜けしていた帽子です。
画像ではよくわからないかもしれないけど、色抜けがひどく黄色くなっていた部分は真っ黒には染まっていないんです。

日傘の方は生地の傷みが帽子ほど進んでいなかったため、染まりが良くなるよう洗いながら繊維の状態を回復させた後に染めていくことできれいに染めることができています。

色の変化が出ている場合、元の色が黒なら黒で染めれば色が直るわけではないんです。

色補正は色の足し算、引き算で考えます。

赤青黄の3色の中で赤っぽくなっている場合は青が抜けています。

青が抜け、黄色と赤が残っている状態ということですね。

黒は赤青黄色が1対1対1で混ぜ作られています。
色抜けしている日傘の場合、青が抜けているので青を引いた色ということになります。

青だけが抜けた色に、赤青黄色が1対1対1で作られている黒を入れると、黄色と赤が余分に入ってしまうことになります。

色を戻すには抜けた色だけを足していかないと直らないから、赤みが消えず赤っぽい黒になったりオレンジがかった黒になったりしてしまいます。

色直しは新品の白い生地を染めるのとは違い、残っている色を修正して色を変えていく、生地の状態により染まり具合も変わるなどいろいろなことが影響してきます。

お客様が思ってる以上に色を直すって一筋縄では行かないことが多いんです。

でも、直すとしたら繊維の傷みまで出ていないうちに直すことがきれいに染められる条件になります。

ブログ一覧

Contact
お問い合わせ

お問い合わせはお電話・LINEより承ります。
お気軽にご相談ください。