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品質表示の洗濯マークの意味~✖が付いていたらできない?わけじゃないんです~

おしゃれ工房You友(ゆうゆう)店主 大友 眞吾です。

洗濯上手になると、服選びも上手になれます!

これほんとです。綺麗に服を着ていけるかどうかは服を選ぶときから始まっているんです。
服を選ぶとき、洗濯する時に一番大切なモノが品質表示です。

買おうとしている服の品質も表示から読み取ることもできるんです。

洗い指定(絵マーク)の意味を理解されていない人が多く、ちょっとずれた説明をしている人も多いので・・・・

今回は当店がお客様から質問された時にお答えしている表示の意味をは説明していきます。

洗い指定は✖が付いている場合、「洗えない」という事ではないんです。
ここがとても重要。

この表示は基準に則ってメーカーがクリーニングテストをし、不具合が出ない洗い方法を記すよう義務付けられつけられているモノです。

指定通り洗って不具合が出た場合、法律上メーカーは保証することを義務付けられています。
つまりこの表示は服の保証書となっているのです。

✖がつけられている場合、「洗えない」ではなくメーカーが「保証しない」という意味なんです。

水洗いに✖が付いていても洗える服はたくさんあります。
ほとんどの人はこの意味を知らずに洗っているけど、保証されない方法で、自己責任で洗っているという事になるんです。

「洗えない」のではなく「保証されない」という事を理解している方は業者でも少ないようなので・・・

洗い指定は
✖が付いている表示と付いていない表示の両方が日本語と英語でそれぞれ付けられていたりすることもあります。

全てに✖が付いている表示もあれば指定に従って洗っても不具合が起きる事例もあります。

いろんな事があるので、画像を入れながら説明していきます。


◆2016年から表示が変わっています。

2016年に表示方法が変わり国によりマークが違っててわかり難かったものが統一されました。

2枚付けられている表示の同じマークを見ると一枚に✖が付いているのにもう一枚には✖が付いていなかったり・・・

2016年に表示法が改訂された時、説明ブログを書いていますので、表示の見方がわからない方はリンクを貼っていきますので一読下さい^^

服を買う、洗う時に大切な事です。

一生着ていくしこれからも買っていく服だから表示の見方、意味を覚えておくといいと思います。

12月1日から洗濯表示マークが変わります!

◆表示のつけられ方と相談できる場所

表示に家庭で洗える表示を付けたい場合、メーカーは水洗いできる素材と材料を選び服を作り、本当に不具合が起きないかをテストして確認をし、表示としてつけられています。

水洗いすると縮んだり変形したり剥がれたり滲んだりする素材や材料で作っていたら、洗えばダメになります。

水洗いできる指定を付けると不具合が起きたとき保証しなければいけなくなり、下手すると自主回収しなくてはいけなくなることもあります。

実際、不具合が起きてメーカーに連絡すると回収していますという事で返金対応していたって事もあります。

服が洗えるかどうかは、メーカーが洗えるように作っているかどうか、です。
それがわかるのが洗い指定になります。

洗い指定通りに洗うことは、メーカー保証の下で洗えるという事になります。

もしも指定通りに洗って不具合が起きてしまった場合、どうしたら良いかわからなかったら消費者ホットラインという相談場所があります。

「188番(消費者ホットライン窓口)」に電話して相談すると最寄りの消費者相談センターを案内してくれます。

法的見解も含めアドバイスしてくれる公的機関なので相談は無料です。

クリーニングとか服だけじゃなく消費者の困ったことを相談できる場所なので覚えておくと困った時の相談ができます。

◆指定に従って色にじみが出てしまい、保証してもらえた浴衣事例

まずは保証してもらえた事例から。
老舗呉服店でオーダーして作ってもらった浴衣です。

表示もつけられていおり、30℃以下で手洗い指定、ドライクリーニングに✖が付けられています。
洗い方法はクリーニング店へ依頼しても手洗いになります。

お客様自身が手洗いしてみたところ、赤い色が白抜き部分に移り染まってしまった状態になっています。

購入して間もなく、初めての洗いとの事だったので、こういった相談をお受けした場合、まずは購入店へ相談することをお勧めしています。

どんな手順でどういったように相談したら良いかなどはその都度アドバイスさせて頂いています。

購入した呉服屋で染めているわけではないから、表示通り手洗いして、まさか色が滲んでしまうような浴衣を売っているということに気が付いていない場合も多いんです。

それともう一つ、オーダーで作る場合、品質はオーダーしたお店に任せられるので品質表示がつけられないことも多いんです。
付いていない場合、法律基準の保証は受けられなくなります。

オーダーで作る場合、表示を付けてもらわないとクリーニングを断られたりもするので作る際はつけてもらうよう交渉したほうがいいんじゃないかな。正確な素材もわからないとしみ抜きができないこともあります。

この浴衣は呉服屋に相談したところ、保証として新しい浴衣を作って頂け、色が滲んだ浴衣も着れるようになるなら着てくださいと貰えたとの事でした。

購入してすぐの不具合によるご相談は結構あります。
もし、保証対応してもらえない場合、持って来ていただければ後からしみ抜きできますから、と対応させて頂き、ほとんどの方はそのまままもって来ることはありません。

どうなったか報告をくれるお客様もいらっしゃいますが、ほとんど保証対応してもらえていると思います。

この浴衣は綺麗に色滲みを除去できていますので興味ある方は下記リンクからご覧ください。

浴衣の色滲み取り~家庭で洗って色が滲んでしまった浴衣~

◆日本語表記は指定が全て✖ 海外指定は手洗い表示 
 洗えませんと断られた服

左上の日本語の表記は左から水洗い、漂白、アイロン、ドライクリーニングすべて✖が付いています。
イタリアの表記では手洗い可、漂白不可、アイロンは低温、ドライクリーニングは✖、タンブル乾燥にも✖が付いています。

こんな場合、どっちを見ればいいのか?
日本で作業する場合だと日本語表記が法律基準に則った指定になります。

基本、クリーニング店もこの指定に従ってクリーニングをするため、日本表記に全て✖がつけられているともし不具合が起きた場合、法律上クリーニング店の責任となり、保証はクリーニング店がすることになります。

リスクのかかる洗い方は基本しないため、指定に従い、このような表示の場合は断るか、不具合が起きても一切保証しないという説明に了解を得ないと洗ってもらえなくなります。

この服がなぜ日本語では全て✖になっていて、イタリアの表記でもドライクリーニングが不可になっているかは・・・

リンク先に詳しく書かれていますので興味のある方はご覧ください

クリーニング不可表示 洗えませんと断られた服(POI BY KRIZIA)

なぜ国により指定が変わるか??

では、どうして国により洗い指定が変わるか?

それは洗濯の習慣、環境が違うからです。
国民性もあるかな。

一番の違いは水質。
日本の水質は軟水という世界でも稀な洗濯に適した水質です。

洗濯に適しているというのは汚れ落ちがとても良い水質で、常温で洗ってもきれいに洗濯ができるんです。

ほとんどの国は硬水という汚れ落ちが悪い水質で、日本と違い洗濯機も温水洗いができるようになっているモノが多いんです。

硬質では常温での汚れ落ちが悪いため、温水にしたほうが汚れ落ちがよくなるんです。

汚れ落ちが良いという事は、その分色も落ちたり滲んだりしやすいという事になります。
これは洗剤も同じで、汚れ落ちがいいものほど、色も褪せやすく、滲みやすくなります。

そのため、硬水の国で色落ちしやすい服を洗っても問題なく洗えるけど、軟水の日本で洗うと途端に色が滲んだり、褪せたりしてしまったりするんです。

インポート製品は色落ちしやすいって言われる原因もここにあります。
海外の水質に合わせて作られているため、日本の水質では想定と違ってくるからですね。

このセーターの場合、デザインとセーターの素材の組み合わせもちょっと問題があります。

服の組成とデザイン、洗い指定を見てどう洗うのがいいのかを判断して洗っていきます。

この服もブランド品ですが、高額になるほどリスクがかかることをはしませんので、判断ができない多くのお店では断られてしまいます。

◆マッキントッシュコート 全て✖表示と水洗いできる表示が付く矛盾

日本語の指定は全て✖、スコットランドの指定は手洗いが〇。
これはマッキントッシュによくある、矛盾した指定ですね。

説明的には前のセーターと同じですが・・・
こちらは色落ちしやすい綿素材。しかもゴム引きと言われる樹脂コーティングコートです。

こちらの表示の違いは洗濯環境もあるけど気候の違いも関係しています。

この樹脂は加水分解と言って空気中の水分により分解され溶け出して来る素材。
日本の賠償基準でみると平均使用年数3年程度とされている加工になります。

この加工は湿気量により分解が出やすいため、高温多湿の日本には気候が合わない・・・
乾燥した国、地域なら加水分解が起きにくく長持ちする、そんな加工になります。

気候に合わないモノの中に、よく相談があるのがルイヴィトンのヴェルニです。

表面のエナメルが加水分解により溶け出す、黄ばみがでるなど、早いものは3年もするとかなり黄ばんだりべたつきが出てきたりします。

マッキントッシュクリーニング~復元洗い・色落ち部分染色事例~

マッキントッシュコートクリーニング~ゴム引き素材の色落ちを目立たなくする色素回復仕上げ事例~

マッキントッシュクリーニング~ゴム引きコート・断られる理由は?~

◆まとめ 洗濯上手になると、服選びも上手になれます!

洗濯上手になると、服選びも上手になれます!

服は洗えるように作られていなければ洗うと不具合が起きてしまいます。
表示には服の洗い方を記すマークが付けられています。

どの方法で洗えば良いかの目安ではなく、問題なく洗える事を保証してくれる洗い方法を記しています。

夏物衣料で汗になる時期の服なら水洗いをして汗落としたいから水洗いができる服を選ぶ。
夏服なのに水洗いが不可となっていたら、汗を付着させずに着ろ、汗が付いても水洗いをしたら保証しない、とメーカーが言っているのと同じになります。

メーカーの服作り、品質なども指定からある程度見えてきたりもします。

でも、水洗いに✖が付いているから水洗いができない、ではなくメーカーは不具合が起きても保証しないという事で、洗えないわけではないんです。

✖が付いていることをする場合、自己判断と自己責任でやっていく事になります。
素材の特性と色、デザインで判断をしていくのである程度の知識と経験が必要になります。

でも結構難しいと思うので、覚えておくと良い選び方のポイントを書いておきますね^^

家庭で洗える素材選びのポイント!

色々と細かく書いていくと一冊本ができるくらい長くなるので・・・
スーツとか高級素材は置いといて、家庭で洗いながら使っていきたいような服について書いていきます。

①素材の色について
色落ちする素材
綿、麻素材は色落ちする素材です。
色落ちしない綿、麻製品は無い、って考えたほうがいいですね。

色落ちしない素材
ポリエステル、ナイロン、アクリルはほぼ色落ちしません。
※染められ方により色落ちするものも時折あります。

②とっても素敵なポリエステル素材!
ポリエステルは1gの重さの糸を伸ばすと9000m~9万mという目にも見えないような細長い糸の集合体です。

だからいろんな風合いに化けるのがポリエステルです。

ポリエステルは色落ちせずシワにならない丈夫な素材。
だからポリエステルが混紡される素材は基本いろんなことに強くなります。

色落ちしやすい綿、麻製品にポリエステルが混紡されると、混紡割合に比例して色落ちしなくなっていきます。
例えば綿50%ポリ50%のシャツだとすると、綿の風合いはしっかり残り、綿100%のモノと同じように使ってもシワになりにくくなり色落ちもかなり抑えられます。

綿はシワになるし色落ちするけど50%のポリエステルは色落ちもしないしシワになり難いからです。

シルク製品はポリエステルが50%程度混紡されるとかなり強度も上がりシミも落ちやすくなり、色落ちも抑えられます。
シルク100%と比べると10倍くらい長持ちするような素材になるんじゃないかな。それくらい強くなります。

③ポリエステルと唯一相性があまり良くない素材。
それはレーヨンです。ほかの繊維と同じように色落ちしにくい、シワになりにくいなどは同じですが、毛玉ができる・・・

安価なスウェットとかトレーナーって新品時は厚みが柔らかくいい感じ、ですが、着たり洗ったりいていくと100%毛玉ができます。

ポリエステル65%、レーヨン35%という混紡率が多いかな。
レーヨンの比率が増えても減ってもポリエステルと混紡されると必ず毛玉ができるのが特徴です。

毛玉取り機などでは削り取れないくらい小さな毛玉ができるのも特徴。
これは覚えておいた方がいいと思います。

ニット製品にはアクリルも多くありますが、アクリルも毛玉はできます。
しかもかなり丈夫な毛玉ができてしまい、無理に取ろうとするとひきつれも起こします。
アクリルニットは毛玉ができる素材です。

保証価格はいくら?計算方法は?

指定に従って洗うという事は、保証された方法で洗えるという事になりますが永久保証ではありません。

どんなものでも時間の経過と共に減価償却されていくのと同じように、服も減価償却されていきます。

下記に平均使用年数表と保証割合表を貼っておきます。

計算方法は平均使用年数表を見て服の種類ごとに何年とされているかを確認する。
保証割合表で平均使用年数の列を見て、経過月数にの対応しているところから右に進んで保証割合の行を見て計算します。

例えばTシャツ、シャツ類は平均使用年数を見ると2年となっています。
シャツを1年半(18か月)前に購入していたら、平均使用年数2年の列から18~20か月未満の行を見ると保証割合があります。
26%~~56%の範囲で服の状態により保証額が算出されます。
A級はほぼ新品未使用に近いものが該当し、ほとんどのものはB級またはC級に該当します。
シミなど品質表示内の方法で取れないものが付いていると、C級以下になります。

これが法律基準ですが、実際の保証はクリーニング店、もしくはメーカーの対応次第になります。

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