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革の小銭入れの転写汚れ補修とPRADA Teddyキーチェーンチャームクリーニング

バッグの中で触れていたもののプリントが転写した革の小銭入れと、黒ずみや毛玉が目立っていたPRADA Teddyキーチェーンチャームのクリーニングとリメイク事例です。
革や毛足のある素材は、ただ洗えばよいわけではありません。素材の状態を見極めながら、汚れの除去、風合いの調整、必要に応じた補修や仕上げを行いました。

汚れ、シミの状態、様々な素材の組み合わせなどお預かりするモノは全て状態が違いますので基本お見積りとなります。

参考価格 
革の小銭入れ 
転写しみ抜き、全体染め直しまで
(傷直しまではしない、光沢を出してほしいというご依頼)
12000円(税込み13200円)

プラダTeddy キーチェーン チャーム
汚れ部分をしみ抜き除去 お手入れ
12000円(税込み13200円)

◆革製品は洗うだけでは傷んでしまいます

静岡県浜松市のバックとお財布のシミ抜き・リメイク専門店
おしゃれ工房You友(ゆうゆう)店主の大友眞吾です。

革と生地を組み合わせたバッグや、洋服でも付属品として革や毛皮が使われているものがあります。

こうした製品で注意しなければならないのは、ただ洗えばよいわけではないということです。

革は繊維製品と違って油分を持っています。
この油分が保たれている限り、革は丈夫で長く使えます。

しかし、油分が失われると革の繊維そのものが傷み、引っ張っただけで破れてしまうこともあります。

一般的にクリーニングは、汚れやしみを落とすことが目的です。
ですが、革製品では、必要な油分まで取り除いてしまうと傷みやすくなり、寿命を縮めてしまう結果になってしまうんです。

◆革をメンテナンスしていくうえで大切なこと

プラダTeddy キーチェーン チャームですが・・・
13万円位はするキーホルダー。

Teddy キーチェーン チャームの中には革のドレスを着ているものもあります。

私は、皮を革として製品化していく工程を学び、独自のお手入れ方法を築いてきました。

クリーニング業界では、革製品は衣類とは別の特殊品として扱われてきました。
けれども、革もまた繊維の一種です。

私が革に取り組んできたのも、衣類と同じように繊維として向き合える素材だと考えたからです。

革製品を長く愛用していくために大切なのは、汚れを落とすことだけではありません。

おしゃれ工房You友の皮革クリーニングは、汚れと一緒に古くなった油分を取り除き、革に必要な新しい油分を補う事を革のメンテナンスと考えています。

ぬいぐるみの汚れ除去は洗いではなく染み抜きです

白い部分には黒ずみが目立ち、毛玉もできていました。
バッグなどにキーホルダーとして付けて使っていると、擦れによって汚れが付き、毛玉もできやすくなります。

ぬいぐるみのお手入れも考え方は同じで、きれいにしたい場合は超音波しみ抜き機で汚れを落としていきます。
超音波は、水やしみ抜き剤などの液体を細かく振動(秒間1万以上)させ、その力で汚れを浮かせて落とすため、繊維を傷めにくい方法です。

最近はコインランドリーでぬいぐるみが洗えるという情報も見かけますが、洗うことを前提としていないものを洗濯機で洗うのは基本的におすすめできません。

このような汚れは、洗濯機よりも、洗剤を付けてやさしく手でなで洗いしたほうが、負担を抑えられ汚れ落ちもかなりよくなります。

◆洗うことを前提としていないものは色にじみに注意

洗い上がりです。
顔の部分は白と黒のバイカラーになっています。

このようなぬいぐるみで時々起こる失敗が、白い部分に黒い色がにじみ出てしまうことです。

もともと洗うことを前提に作られていないものは、きれいにしようとしてアルカリの強い洗剤を使ったり、洗剤を付けたまましばらく置いたりすると、色にじみが出やすくなります。

これは洋服でも同じですが、色にじみしやすそうなものや、色あせしやすい濃色のものは、中性洗剤で短時間の手洗いをするのが基本です。

バケツに中性洗剤の洗浄液を作り、手早く押し洗いをして、すぐにすすいで洗剤を落とせば、3分から5分ほどで洗うことができます。

このくらいの短時間であれば問題なく洗えるものでも、洗剤をアルカリ性のものに変えたり、洗う時間をかけすぎたりすると、急に色にじみが出てしまうことがあります。

洗うことを前提としていないものは、短時間でできるだけきれいに仕上げる洗い方をすることが基本的な考え方になります。

毛玉は洗いやしみ抜きでは取れません

汚れや黒ずみは落とせても、きれいにしていく工程の中で毛玉まで取れるわけではありません。
クリーニングに出せば毛玉も取れると思われる方は多いのですが、毛玉は洗っても、しみ抜きをしてもなくなるものではありません。

毛玉を取るには、毛玉取り機で刈り取るか、手でつまんで取り除くかといった、物理的に取り去る方法になります。

毛玉取り機は、電気シェーバーのように毛玉を刈り取る道具です。

ここで注意しなければならないのは、取ろうとして強く押し付けないことです。

強く押し付けると、折り返しや少し段差のある部分では、生地そのものを削ってしまい、穴が開くことがあります。
こうした失敗は実際によくあります。

もうひとつ注意したいのが、毛足のあるものです。
このキーホルダーにも長い毛足があります。

電動の毛玉取り機を使うと、毛玉と一緒に毛足まで刈り取ってしまうことがあります。

うまく使えばニット製品の毛玉はきれいに取れますが、穴を開けたり、長い毛を刈ってしまったりすると元に戻すことはできません。

今回は範囲が小さいため、手作業で毛玉を取っていきます。

黒ずんだ汚れは洗うだけではなかなか落ちません

こうした黒ずみ汚れは、洗濯機で洗っただけではあまりきれいに落ちません。
基本的に、擦れて付いた汚れは洗いの工程だけでは落としきれないことが多いんです。

実際に、洗濯機で12分しっかり洗っても落ちなかった汚れが、洗剤を付けて手で軽くなで洗いするだけできれいになることはよくあります。

また、黒ずみ汚れに酸素系漂白剤は効かないことがほとんどです。
黒ずみは、油性の汚れにホコリや汚れが重なって付着していたり、水に溶けない汚れが付いていたりすることが多いからです。

このような汚れは、漂白剤の酸化分解では落としにくい汚れです。

汚れは基本的に洗剤で落とします。
一方で、洗剤では落ちない色素系のしみや黄ばみ、固まって落ちにくくなったたんぱく質などは、漂白剤の酸化分解で落としていきます。

この違いは、洗濯やしみ抜きを考えるうえで大切な基本です。
ネットでは間違った情報を見かけることもありますが、洗剤と漂白剤の役割を理解し、上手に組み合わせて使っていくことが大切です。

今回は、油性系しみ抜き剤で黒ずみを処理し、そのあと洗剤でしみ抜き剤を洗い流しながら洗っています。

毛足のない部分については、毛玉を軽く電動毛玉取り機で除去しています。

◆転写したような汚れは除去だけで直らないことがあります

もう一つの事例は、小銭入れです。
もともとは、もっと明るい茶系の色をした小銭入れでした。

使っていくうちに全体がだんだん黒ずみ、さらに、あるとき一緒に入れてあったものと接触していたのか、転写したような汚れまで付いてしまった状態です。

実は、お財布でもバッグでも、このような転写汚れは意外と多く見られます。

よくある例が、光沢のあるエナメル仕上げの製品です。
バッグの中にレシートをそのまま入れておき、あとでお財布を見たら、印字された数字がそのまま写ってしまっていたということもあります。

このような汚れは、表面に付いているだけではなく、素材の表面層に入り込んでしまっていることがあります。
今回の小銭入れも、表面の塗装面に汚れが浸み込んでいる状態でした。

この場合、除去するには、表面の塗装を少しずつ調整しながら、浸み込んだ部分を取り除いていく必要があります。

ただし、浸み込みが深いと、表面のコーティングや塗装面を取り除いても、その下の革にまで色が残っていることがあります。

また、部分的に補修する場合でも、その部分だけ大きく変化を出してしまうと、全体との違いが目立ち、元の自然な状態には戻しにくくなります。

そのため、実際の修復では、状態を見ながら無理のない範囲まで汚れを除去し、残ったしみは塗装で目立たなくしていく方法になることがほとんどです。

ルイヴィトン・ベルニのように光沢のあるエナメル仕上げのものは、特に汚れが表面層に入り込みやすく、浸み込みが浅い場合は除去できることもありますが、基本的には完全に取り切るのが難しいことも少なくありません。

そのような場合は、しみが目立たなくなるように色を補いながら、できるだけ光沢感を損なわないよう整えていく方法を取ります。

ただし、表面の劣化が進み、寿命が来ている状態では、この方法自体が使えず、補修が難しくなることもあります。

ご希望に合わせた色合いと光沢でリメイク

今回は、もう少し明るい茶系にして、光沢も出したいというご希望でしたので、それに沿うようにリメイクを進めました。

また、今回は傷がかなり多いため、光沢を強くすると傷が目立ちやすくなることと、マットな仕上がりのほうが傷は目立ちにくいことも、あわせてお伝えしています。

お見積りは、できる限りきれいに仕上げるリメイク案と、傷の補修までは行わない案の両方をご案内しました。今回は、傷の修復までは行わず、塗装とトップコーティングによる艶の調整までという内容でお受けしています。

艶は調整できることもお伝えし、今回はいつもご利用いただいているお客様でしたので、かなり光沢を出した状態の仕上がりを一度ご確認いただき、ご希望に合わせて調整できることをご案内しました。

光沢は、仕上がり後にある程度の調整が可能です。ただし、最も強い光沢の状態や、まったく光沢のない完全なマット仕上げにする調節はできません。

そのため、光沢が強い仕上がりを少し抑えたり、マットな仕上がりに少しだけ艶を加えたりと、中間的な光沢調整は可能です。
ただし、調整は仕上がりをご確認いただいたうえで行うため、お持ち込みのお客様に限らせていただいております。

今回は、光沢を出してほしいというご希望でしたので光沢を出して仕上げましたが、ご覧になった瞬間にとても喜んでいただけましたのでこれが仕上がりです。

画像では光の反射が映り込んでいるため、ペンキを塗ったような質感に見えるかもしれませんが、実際にはそのような不自然な仕上がりにはなっていません。

また、傷も光が当たることで実物以上に目立って見えていますが、肉眼ではここまで強くは目立ちません。

このように、実物と画像では見え方に違いが出る場合があります。

◆プラダTeddy キーチェーン チャームと小銭入れのクリーニング&リメイク事例 まとめ

今回は、少し珍しいプラダTeddy キーチェーン チャームと、お客様が気に入ってお使いの革の小銭入れのクリーニングとリメイクをご依頼いただきました。

キーチェーン チャームのご依頼は、これまでにもあまり多くない珍しい事例です。
しかも比較的高額なお品です。

小銭入れについては、色直しや光沢の調整という点では一般的な革製品と同様ですが、今回は転写によるシミが除去できるかどうか、また取り切れない場合には塗装で目立たなくできるかを考えながら進めるリメイクとなりました。

作業自体が特別に難しいというわけではありませんがこの小銭入れは、よくご相談いただくレシートなどの転写ジミと似た状態で、さらに光沢を出した際に傷がどのように見えるかも分かりやすい事例でしたので、あわせてご紹介しています。

革製品は、一般的な衣類のようにまとめて洗って機械で仕上げることができない素材です。

革の衣類であれば、ある程度は機械を使って効率よく作業できる設備を整えている会社もあります。
ただし、バッグやお財布、今回のようなキーチェーン チャーム、キーホルダーなどは、状態やご希望に合わせて一点ずつ手作業で進めていくため、仕上がりには作業する人によって大きな差が出ます。

調色についても、新品の頃と現在とでは色合いが変化していることが多いため、現在の状態に重ねても違和感が出ないように調整していきます。
一方で、新品に近い状態であれば、新品時の色に合わせて調色していきます。

この色合わせができないと、まだあまり使っていない新品に近い状態でも部分的な色直しや修復ができないため、全体塗装での対応になってしまいます。

ただし、使用する塗料の種類によって、色合いにはわずかな違いが出ます。
光沢も調整は可能ですが、水性か油性か、また使われている樹脂の違いによって、仕上がりの見え方は微妙に変わってきます。

新品時とまったく同じ仕上がりにするためには、塗装前の革の状態も同じで、同じ革を使い、同じ塗料と同じトップコート剤で仕上げる必要があります。
そのため、実際には新品時と完全に同じ状態に再現することはできません。

これは、製造元に依頼した場合でも同じで、使われたことによる傷みや、取り切れない汚れがある以上、新品時とまったく同じように戻すことは難しいものです。
色直しはほとんどのブランドで取り扱わないとして断られてしまうと思います。

また、色直しを行ったお品については、ブランド側から純正の状態とは異なるものと見なされる場合があります。
そのため、当店で色直しまでお受けする際には、その点も事前にご説明したうえで、純正品としてではなく、お客様の持ち物(所有物)をリメイクするという事でお受けしています。

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