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40年以上眠っていたコーデュロイパンツのシミは取れるのか?

40年以上デッドストックになっていたコーデュロイパンツです。
このままでは履けないので、ダメになってもいいから試してほしい。そんなご相談です。


数十年たった濃いシミは、見た目だけではどこまで取れるか判断できません。

実際に作業を進めながら、生地の状態を見て対応していきます。

今回の復元洗い参考価格
15000円(税込み16500円)

復元洗いは服の種類、難易度により金額が変わりますので基本現物を拝見してからもお見積りとなります。

◆40年以上眠っていたコーデュロイパンツのシミは取れるのか

静岡県浜松市のクリーニング・しみ抜き専門店
おしゃれ工房You友(ゆうゆう)店主の大友眞吾です。

今回は、40年以上デッドストックになっていたと思われるコーデュロイパンツですが、シミは取れますかというご相談です。

同じシミでも、素材の厚さで取れ具合は変わります。色によってもしみ抜きの難易度は大きく変わります。

基本的に生地は厚くなるほど落としにくくなります。特に綿、麻、シルクのように色落ちしやすい素材は、色柄があるだけで難易度がかなり上がります。

綿は身近な素材なので、家庭でも普通に水洗いされることが多く、扱いが難しい素材だと思われていない方も多いはずです。

ですが、少し奮発して買った服にシミが付いて、クリーニング店にしみ抜きを頼んでも落ちなかった。そんな経験がある方は多いと思います。

綿は水溶性のシミでも、乾いた時点で洗っても落ちなくなることが多い素材です。しかも色柄物は、しみ抜きを依頼しても高確率で落ちずに戻ってきます。綿はそういう素材です。

同じ綿でも、生地が厚くなるほどさらに落ちにくくなります。特に今回のようなコーデュロイは生地が厚く、少し無理をすると生地が傷み、跡が残りやすい素材です。

例えばご飯粒が付いて乾いてしまうと、クリーニングに出しても取れてこないことがあります。無理にしみ抜きをすると、毛羽が傷み、抜けて、傷跡が残ることもあります。

同じ綿でも、生地の厚さ、織り、色柄の有無で、しみ抜きの難易度は大きく変わります。



デッドストックリーバイス復元~ずっと探していたリーバイスパンツ~

◆しまっている間にシミが出てくる原因は

長い時間しまっておくと、なかったはずのシミが出てくることはよくあります。

原因はいろいろあるので正確なことは誰にもわかりませんが、一つ言えるのは、空気中には酸素があるので、目に見えない汚れやシミが付いていると酸化して発色し、見える状態になってくるということです。

この現象を酸化発色と言います。

汚れていなくても、生地そのものも少しずつ酸素で酸化していくので、時間とともに黄ばんでいきます。
白い服はうっすらした黄ばみでも見えやすいので気付きやすいですが、ほかの色も同じように少しずつ黄ばんでいきます。

グレー系や薄いピンク、青系の色は、黄ばみが強くなると薄汚れたような色合いに見えることもありますね。

この酸化発色は、汚れが付いていると酸化のスピードが早くなるので、黄ばみもどんどん進んでいきます。
夏物衣料で襟だけ黄ばむ、脇だけ黄ばむのも、汗や皮脂などの汚れが付いているからです。
しまう時には見えなかった黄ばみが、次のシーズンに着ようと思った時に出ているのはよくあることです。

今回のデッドストックパンツも、はっきりした原因はわかりませんが、何かしらの汚れが部分的に濃く付いていたんだと思います。

畳んでしまっていても、外側に出ている部分はほこりなどの汚れが付きやすくなります。
湿気が多い時期は、湿気と一緒に汚れも吸いやすくなります。
そのうえ外側から先に乾いていくので、内側の汚れは乾いていくほうに引っ張られて、汚れが密集した状態で残ることがあります。

汚れが密集した部分は酸化のスピードが上がるので、黄ばみが強く出てくることがあります。

◆仕上がりビフォーアフター①

仕上がりです。
アフターのほうが色が少し濃いと気が付かれた方も多いのでは。

グレー系の色は、赤、青、黄を1対1対1に近い状態で混ぜて作られています。
そのため、汚れによる黒ずみや黄ばみが見えにくい色でもあります。

それでも黄ばみという黄色が重なることで、全体が少し薄汚れたような色に見えてきます。

今回も全体にうっすらと黄ばみが重なっていたため、それを除去したことで青みがかったグレーに戻り、色が少し濃く見えています。

薄い青やピンク系の色も、酸化して黄ばみが強くなっていたものは、黄ばみが取れることでくっきりした色に戻ることが結構あります。

ただ、汚れや色褪せで色が抜けた上に黄ばみが強く出ている場合は、全体の色が薄く見えたり、黄ばみが悪化したように見えることもあります。

この辺りは、実際に黄ばみ除去をしてみないとわからないので、結果次第になります。

仕上がりビフォーアフター②

濃く黄色いシミになっていた部分を先にご紹介していますので、まずはビフォーアフターをご覧ください。

復元洗いは、全体のシミや黄ばみ、変色を取っていく洗い方なので、小さな細かな部分まできれいにしていける方法です。

ただ、復元洗いですべての汚れやシミを除去できるわけではありません。
落ちないシミがあれば、そうした部分はひとつずつしみ抜きで取っていきます。

お見積りを1万円から1万5千円というように、ある程度幅を持たせて出させてもらうのも、残るシミがどの程度あるかは実際にやってみないとわからないからです。

仕上がりビフォーアフター③

お尻側部分です。
この部分は右側だけ広範囲にうっすらと黄ばみが出ていました。

このパンツはセンターラインがないので、二つ折りにした時にこの面が上だったのか下だったのかはわかりませんが、畳んで置く形で黄ばみの出方も変わってきます。

湿気が多い場所で保管されていると、綿は乾きが悪い素材なので、内側は湿気の影響で黒カビなどが生える可能性がかなり高くなります。

今回はカビが生えた様子もなく、カビ臭も出ていません。
なので、比較的湿度の低い場所で保管されていたのだと思います。

服の状態を見ながら、どうしたらこの状態になるのかを考えながら作業しています。

こうした小さな疑問を持つことが、スキルアップしていくうえで一番大切だと私は考えています。

仕上がり画像④

太もも上の内側部分です。

こうしてシミを見てみると、二つ折りにして畳んだ際、端側にくる部分に濃い黄色いシミが出ています。

畳んだ時に外側にくる部分です。

どんな形で保管されていたのか、保管環境はどうだったのか、どうして端の部分が濃く黄ばんでいるのか。
こうした疑問を持つと、自分なりにその原因が見えてきたりします。

ひと昔前までは、メールで画像を送っていただき、その画像を見ながらいろんなことを判断していました。
今はLINEですが、同じように画像を送っていただき、それを見て判断しています。

画像を見ただけでいろんなことがわかり、判断できるようになったのも、こうした小さな疑問を持つことで培われた、おしゃれ工房You友の技術の一つです。

◆40年以上デッドストックだったパンツの復元 まとめ

いろんな状態の服をお客様からご相談いただけること。
ダメになったら諦めるし、クレームは言わないから一度やってみて、とご依頼いただけること。
そうした積み重ねがあって、今のおしゃれ工房You友があります。

遠方から宅配でお受けする形を作ったのは、おしゃれ工房You友を開業する前、実家のクリーニング業を手伝っていた頃からです。
もう35年くらい前になります。

その頃にホームページを作りましたが、まだ宅配でクリーニングを依頼するなんて考えられていない時代でした。
なので、ご依頼の件数はとても少なかったです。

当時ご相談いただく服は、お金では買えない大切な服ばかりでした。

どうしても何とかしたくて、調べて調べてたどり着いてご相談いただく。
そんなご依頼品ばかりでした。

でも当時は今ほどの技量はなく、できないものも多かったことを覚えています。
今も同じですが、状態を見てもどうしたら良いかわからない時は、自分のスキルを超えたご相談です。

でも、どうしたら良いかわからない、自分のスキルを超えた服を、お金では買えない大切な服を手掛けていいのかと葛藤していました。

手間がかかっても、少しずつスキルアップできるチャンスを頂けたことは、それだけで有り余る報酬だと思っていました。
だから成功報酬としてお受けするようになったんです。

今でもうまくできないことはありますし、悪化させてしまう結果になることもあります。

それでも、自分でできないことが他のお店でできたということにならないように、ずっと努力を続けています。

他店で取れないと言われたシミでも95%以上は落とせますと言える実績が作れたのも、35年前の今ほどできなかった頃から、こうした仕事を続けてきた結果だと思っています。

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