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第2章【革クリーニング】革の水洗い~汗取り・臭い取り・カビ取り・水洗いで起きる型崩れ修復仕上げ~

革クリーニング(基本メンテナンス)参考価格(2021年10月現在)

革ブルゾン       7700円~
革ハーフコート     9350円~
革ロングコート      11000円~

水洗いはメンテナンス代金の+50%~100%が目安となります。

革ブルゾン水洗い    11550円~
革ハーフコート水洗い  14000円~
革ロングコート水洗い  16500円~

カビ取りの場合は作業工程により代金が変わります。
水洗いで洗い流せる軽度の状態は水洗いで除去が可能です。

カビの状態がひどい場合、臭いもひどい場合、
カビの根をかき出すようにしてブラシ掛けして除去、殺菌洗いをしていきます。

見積り代金+3000円~5000円が目安

当店の革のメンテナンス・クリーニングは
「革がもっている古い油分を洗い流し、新しく天然の油分を補給する」というのが基本的な考え方です。

古い油分を除去した後、表面だけではなく革の芯まで全体に薄くオイルを入れていきます。

加えて、すべての革製品に抗菌、防カビ加工を入れ仕上げています。

カビ取り、傷直し、色直しは別途お見積りとなりますのでご相談下さい。


おしゃれ工房You友 大友眞吾です。

今回は革に生えてしまったカビを取る水洗いの紹介です。

◆ 革クリーニングの水洗い・カビ取り方法の説明

革クリーニングの基本メンテナンスは下記に説明を載せています。

メンテナンスクリーニングの詳細はこちら

皮革や毛皮のメンテナンスから水洗い、カビ取り、色直しなど、ゆうゆうのすべてのマニュアルは当店で確立していった当店だけが持っている技術です。

どこまで手をかけていくかにより金額も変わっていきます。
ここでの説明がどのお店も同じではなく、当店の考え方、当店での方法として書いています。

革が油分を必要としている状態だったり、落としたい汚れや臭いなど水洗いしないと改善できない状態なのに、その問題点が改善出来る出来ないに関係なく単に洗うだけのクリーニングはどんなに安価でも意味がないと思います。

健康な革を維持していくために必要な油分が枯れてきたら油分を入れてあげないと革は硬くなりひび割れたりし、死んでしまいます。

おなかが減っているのに食事をせずに体を洗っているのと同じ事をしていると思います。

とはいえ、ほとんどの方はそもそも何をどうしたらよいかわからないと思いますので、「どうしたらいいでしょう?」と相談していただければ現物の革の状態を見て必要なことをご説明させていただきます。

どんなご相談でも持ち帰りにくいようなご説明は一切していませんので安心してご相談ください。
その場で出すか出さないか決められない場合は、まずはお持ち帰りいただいて、やっぱり依頼したいと思った時にお持ち頂くか、または
宅配で送って頂ければ大丈夫です。

メンテナンス方法に引き続き、今回は水洗い、カビ取りの説明です。

◇皮革ドライと皮革水洗い、どっちがいい??

メンテナンスクリーニングは革が持っている古い油分を洗い流し、新しい油分と入れ替えることをメインに考えています。

オイルは古くなると腐食するし臭いが出てきたりもします。

「汗を落としたい」「カビを除去したい」など、水洗いをしないと改善できない場合、水洗いをしていきます。

私たちが使ったりしている「皮」は【革】として加工されたものなんです。

動物から「皮」をはがした後、カビたりしないよう塩漬けされ、加工前に塩を水で洗い流し、毛を取り、乾燥しても硬くならないよう鞣しを入れ、加工され【革】となります。

「皮」から【革】へ加工される時、水処理もされるから水洗いができる、水洗いのほうがきれいになると宣伝しているお店を見かけたりもしますが、ゆうゆうは考え方が少し違っています。

革のメンテナンスをメインに考えた場合、皮革ドライのほうがメンテナンスは最適だと考えているからです。

◇革の状態に合わせた洗い分けが大切~ ① メンテナンスクリーニング

水洗いとドライとでは落とせる汚れが違うことは服でも同じですが、革はそれ以上に違う大事なことがあります。

それは油分を入れていくというメンテナンスです。

皮革ドライの溶剤は石油系の溶剤なので、水と比べると粒子の大きさが10分の1位小さくなります。

小さいほど奥まで浸透しやすいという事です。

これは実際にゆうゆうでテストをして明らかな違いが出たことで、「メンテナンスは皮革ドライのほうが圧倒的に良い」と判断しました。

水洗いでも油分は入れていきますが、全く別物と言っていいほど、皮革ドライの方が革の奥まで均等に浸潤させることができ、革の芯まで浸透させることができるんです。

水洗いではどんなに頑張っても真似ができないメンテナンスとなります。

◇革の状態に合わせた洗い分けが大切~ ② 皮革水洗い

・臭いを取りたい
・汗を除去したい
・カビを取りたい

など、水溶性の汚れを落とさないと改善できない場合は水洗いが必要となります。

革製品の場合、「カビを取りたい」とのご相談が一番多いですね。

カビの菌は常に空気中に浮遊していて私たちは毎日呼吸のたびに少なからず吸い込んでもいます。
カビ菌が張り付いた場所に25度位の暖かい気温、湿気、栄養素の3つがそろうと繁殖します。

日本の夏は温度と湿気が高く、簡単に条件を満たしてしまうので残るのは栄養素となります。
革製品はその革自体がカビの栄養素となってしまうため全ての条件を満たし、真っ先にカビが生えてしまうんです。

今回はこのカビを除去していく方法を説明していきます。

◆ カビの除去方法~水洗いで取れるカビ、残るカビ

カビは白カビが少し生えた程度であれば水洗いするだけでも除去できます。

カビで最も厄介なのが生えてから気が付かず時間が経ちカビが侵食してしまった状態です。
カビは革を喰うようにして根を生やし革の奥深くまで侵食していきます。



侵食が進むと表面の白カビが洗い流れても根っこが革の中に残るためまたすぐにカビが生えてきてしまいます。

クリーニングに出したあともすぐにカビが生えてきてしまうのは根っこが残っているからです。

◇侵食したカビは根っこから取りきる

革に入り込んだ根っこはかき出すようにして取っていきます。
ブラシで根っこごとかき出して取らない限り、根っこは残ってしまい、また生えてきてしまいます。

酷い部分のみをブラシ掛けしていくか、全体を一通りブラシ掛けして除去していくかは、カビの生えた状態次第。


首元のロゴにも超音波染み抜きをかけて汚れを落としています。
この部分の汚れを気にされる方が多いので、必ず染み抜きをかけて汚れを落としていきます。

◇カビを除去した後、水洗いで洗い流す

洗っても取れないカビは染まったように革に入り込んでいます。
指でこすっても落ちない状態になっていたら侵食しています。

侵食が進んで革が喰われてしまうと凹凸ができ喰われた跡が傷として残ってしまいます。

喰われて凹凸ができると見る角度で白っぽく見えたりしますが、カビの根っこが残っていても白っぽく見えます。

自分で革を洗い始める前はカビの浸食あとだから直らない、と言われたのですが、実際に洗うようになって確認してみると根っこが残っているだけの場合はかき出すようにして洗うと取れるってことに気が付いたんです。

カビの場合、根っこから除去するためにかき出すようにして全体をブラシ掛けして洗ってから、水洗いをしていきます。

◇高級ドレッシングオイル+コロナも不活性化できる抗菌防カビ加工で仕上げ

洗い終わったら皮革用の仕上げ剤に漬け込み、加工剤とオイルを入れていきます。
ゆうゆうでは、これら加工剤はオリジナルで作っています。

オイルは天然のラノリンオイルと高級化粧品にも使われているエステルオイル、スクワランオイルをドレッシング。

風合いがいいと思うオイルをドレッシングし、コラーゲン、保湿剤も配合しています。

さらに革にカビが生えにくくなり、コロナも不活性化できる抗菌、防カビ剤も配合。

抗菌、防カビ剤はメンテナンスクリーニングでもすべての革製品に加工しています。

カビを除去するこの洗い方法は、革の表面の光沢が消失することがあります。

革の光沢はトップコートで出されていることが多いのですが、弱いトップコートだとブラシ掛けで取れてしまうんです。

この場合、トップコートをして光沢を出していきますが、最初の光沢とは変わってしまいます。

これはお受けする際、説明をさせていただいております。

◆ 洗っていたカビ取りコートの仕上がり

このコートはお客様のご希望で革部分は裏側まですべてきれいに除去できるような洗い方をしてほしい、ということでしたので、表裏すべてブラシ掛けして根っこごと除去しています。

カビの侵食が激しいと喰われた凹凸が白っぽく見えたりします。
侵食で白っぽく見えている場合、目立たなくするには染色(塗装)しないと目立たなくなりません。

どの程度見えてしまうかはカビを除去した後でないとわからないんです。

塗装する場合は別途代金がかかりますので、どこまでやるかはお客様に決めて頂いています。

今回はトップコートも塗装も必要なく仕上がりました。

◆ 水洗いで起きる型崩れ

こちらは以前、クリーニング店から革製品など預かり専門店へ取り次いでいたお店(リフォーム店)からの依頼品です。
仕上がった革ジャケットをクリーニング店へ届けたところ、型崩れふぁひどくクレームとなり納品できない・・・

外注依頼先ではこれ以上の仕上げはできないとの事で集配担当者からHELPされ修復仕上げした革ジャケットです。
ブルゾンなら多少のしわ等があってもクレームになることは少ないのですがジャケットは別。

革でも」服でも、水洗いすると元の自然根形状に戻ろうとします。
この特徴をうまく生かし、水の代わりにスチームを使い水に濡れたときに近い状態を作りうhくを仕上げていきます。

ただし、革にはスチームが使えない・・・
ある程度の熱は平気ですが、スチームを服のように掛けると動物の皮膚ですので、火傷したようになり縮んでしまうんです。

服と比べると格段に修復が難しくなるのが革製品です。

特にクリーニング店というプロが見てクレームになると納品できるレベルで直すのはものすごく難しくなります。

プロにはごまかしがきかないし、お客様に渡すのはクリーニング店だからとても厳しい目で見られます。

という事で、修復仕上げです。

仕上げをするとしないとではものすごく差が出ます。

◇襟はジャケットの命

襟はジャケットの命ともいえる場所です。
スーツでも最初に見る部分はエリ。

襟を見るとスーツの勝ちがわかります。
だから襟を大切にするんですね。

水洗いすると自然な形状に戻ろうとするため、今回のこの襟は少しねじれてしまっています。
これは仕立てる前段階の目詰め、裁断方法により出る出ないも変わってきます。

パッと見てbefoer画像のように襟がねじれていたらお客様に納品できませんから。

◇波打つような型崩れ

全体的なしわっぽさは革だからこんなものと言えばこんなもの。
水洗いすればある程度はしわにまりますし、革の自然な表面じゃないかな。

でも、一通り仕上げるとシワもきれいに伸び」針が出るため光沢も出てきます。
このジャケットは修復仕上げのみで洗いも色入れ、コーティングなどもしていません。

依頼したそのお店で洗いから仕上げまでできるお店って極わずかです。
ほとんどのお店が専門店へ外注依頼していますので洗いも仕上げも外注先の会社の仕事になります。

だから、水洗いで出るこうした変化なども詳しい説明ってされることがないと思います。
通常のクリーニング代金内で今回ご紹介しているような低上げまでしてくれることもないと思います。

依頼する際には説明をしっかりと聞いてからご依頼を。
革製品の型崩れ直せるお店はほとんどないってくらい少なくなります。


◇袖のしわ、水洗いした時に出る変化

袖部分は使用時によく稼働する部分です。
良く汚ぐくことで揉まれるため、洗った時に自然な状態に戻りやすい部分でもあります。

皮は革へ加工する過程で目詰め処理されます。
革がえぐれるような怪我すれば人だって傷として残りますし、蜂に刺されたり虫に刺されると腫れたあと先端がくぼんでしまったりなど傷跡が直らなくなったりもします。

生きているときの傷はそのまま残っていることもあるし、皮膚の目がキメ細かかったり粗かったり、しわがあったりなど個体によりあがあります。

これらを目詰めすることで差をなくして革へと加工されていますが、この目詰め方法により加工のランク分けもされています。

簡単に元の形状に戻らないよう加工されているモノもあれば空気中の湿気を含むことで戻ってしまう程度の加工もあります。

目ず目処理が甘くなると空気中の湿気を含み揉まれると傷跡が出てきたりしわ等が戻ってきてしまったりなどが出てしまうこともあります。

水分を含ませることは、汚れを落とすだけではなく、風合いとか質感も革から皮へ戻ってしまうリスクもあります。

これを理解している業者はある程度のレベルまで直すことができます。

袖のしわも同じく、伸ばすこともできるし袖全体が戻ってしまっていてもある程度は直すことができます。

どこまでできるかはそのお店のスキル次第となります。

袖のしわ等は着用する方の使い方の癖で付くため、使っていくとまた同じようにしわはすぐにできてしまいます。

一度癖になると、納品するときには綺麗に伸びていたとしても使えばまた同じ場所にしわになるのも皮革製品の特長です。

◆ 革水洗い カビ取り まとめ

革製品は特殊品になるためほとんどのクリーニング店が専門店へ外注依頼をしています。
地元浜松では革メンテナンスから色直しまですべてを外注に頼らずできるのは当店のみとなり、2か所あった外注依依頼先も1か所は取り扱いするお店が無くなってしまったため1か所のみとなりました。

だから、皮革製品外注依頼できるお店も半減してしまった状態です。

ここで紹介している方法と考え方はゆうゆう独自のものです。

カビは革製品だけではなく靴やバック、服など多岐にわたりご相談がたくさん舞い込んでいます。

革製品は皮から革へ加工する際、必ず水処理されるから革は水洗いできる、と説明するお店も多いのですが、水洗いで出た変化を直すことができるお店ってほとんどないって言っていいほど少なくなります。

そして、必ずしも水洗いが最適なお手入れ方法ではありません。

油を抜き、入れるお手入れ、カビなど水溶性の汚れや汗などを落とすのであれば水洗いなど・・・最適な方法でメンテナンスしていく事が大切です。

でもお客様には何をどうしたら良いかわかりませんので、お客様のご要望をお聞きし革の状態を見て最適であると思う方法をアドバイスさせてもらっています。

「当店で出来なければどこへ依頼しても出来ません」といえるレベルまでのことはやっていますので、困ったことがありましたらお気軽にご相談ください。

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