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祭りの股引と腹掛け 不自然な色を抜いて違和感のない色合いと使用感を出す事例

祭り用品

祭りの股引や腹掛けを色抜きし、
違和感のない色合いと
自然な使用感に整えた事例です。

色の抜け方や
使用感の出方は、
もともとの染められ方によって異なるため、
仕上がりが一律になるわけではありません。

ご相談の多い内容ですので、
今後もさまざまな事例をご紹介していきます。

綿素材の祭り用品
色抜きの参考価格

法被の色抜き
通常丈
7000円
税込7700円から

ロング丈
8500円
税込9350円から

股引
6000円
税込6600円から

腹掛け
6000円
税込6600円から

麻やシルクは、
対応できないものもあります。

現物を拝見してから
判断とお見積りになります。

藍染め法被の水洗い
手洗いで
1点ずつ洗っていきます。
4000円
税込4400円から

◆1年中ご相談が来るようになった法被など祭り用品の色抜き

静岡県浜松市のクリーニング・しみ抜き専門店
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 店主の大友眞吾です。

今では年間を通して
法被などのお祭り用品の色抜き相談を
いただくようになりました。

今年も浜松まつりが近づき、
色抜きのご相談が増えてきています。

15年くらい前までは、
少し抜く、
しっかり抜く、
といった形で
段階を分けて対応していました。

ただ、
最近は染められ方が変わってきており、
以前のように
思った通りの抜き方が
しにくくなっています。

無理に色を抜こうとすると、
極端に抜けた部分が出たり、
色ムラが強く出たりすることがあります。

数多く見ていく中で、
こうしたさまざまな事象が起きることを
経験してきました。

そのため今は、
極端な不具合が起きにくい範囲で
色抜きを行う形に変わってきています。

以前は、
股引や腹掛けは
色が抜けにくかったり、
色変化が起きる可能性が高かったため、
お受けしていませんでした。

ただ、
だめになってもいいので試してほしい
というご相談も多く、
試行錯誤を重ねながら
色抜き方法を改善してきました。

その結果、
今では股引や腹掛けも
お受けできるようになっています。

ただし、
色の抜け方は
染められ方に大きく左右されます。

かなりの数を扱ってきたことで、
状態を見ると
染められ方や抜け具合を
ある程度予測できるようになってきました。

そのため、
状態に合わせて
色抜きの進め方を変えながら
対応しています。

ご相談内容としては、
使用感を出したい、
手に色が付くのを抑えたい、
赤っぽさや黒っぽさが強すぎるので
自然な色合いにしてほしい、
といったものが多いです。

できるだけ
ご希望に沿えるように進めていますが、
想定していなかった反応が出ることもあります。

同じ条件で色を抜いても、
染められ方によって
抜け方はかなり変わります。

そして、
うまくいかなかった場合でも
元の状態に戻すことはできません。

そのため、
どのお客様にも
弁償保証はできませんが、
それでも試してみますか
という形でご説明した上で
お受けしています。

もちろん、
使う前に
まず一度洗ってほしい
というご相談もあります。

水洗いだけであれば、
問題なく対応できます。

今回は、
お二人のお客様から
同時に股引と腹掛けのセットをご依頼いただきましたが、
色の抜け具合には
かなり差が出ました。

参考事例として
ご紹介させていただきます。

藍染め法被(はっぴ)~色落ちが激しい法被の色落とし・使用感を出す年期入れ~

◆武州青縞とタグ付けされている股引と腹掛け

本当に藍だけで染められているものしか、
本藍染めと表記してはいけない
というルールがあるようです。

逆に言えば、
本藍染めであれば
本藍染めと表記されていることが多いと思います。

そうした表記がないものは、
本藍ではなく、
化学インディゴと呼ばれる
合成藍で染められているか、
あるいは
染めた会社以外ではわからない
別の染料が使われている場合もあります。

本藍などの草木染めは、
濃い藍色であっても、
色を抜いていくと
水色系の変化になります。

藍染めは、
最初は薄い水色から始まり、
その色を重ねていくことで
だんだん濃い藍色になっていきます。

20回前後重ねて、
それ以上は濃く染まりにくいところまで
重ね染めした色は、
留紺と呼ばれます。

一方で、
化学インディゴでも
赤、
青、
黄などを調色して
紺色を作っている場合は、
一部の色だけが抜けることで、
水色ではなく
グレーがかった色や
茶色っぽい色に変わることがあります。

腹掛けや股引で
ときどき起きていた色変化が
まさにこれで、
以前はこうした変化が出やすかったため
お受けしていませんでした。

今回は、
この説明書きが入っており、
文面には
国産本藍と書かれていました。

ただ、
本体そのものに
本藍染めと表記されているわけではありません。

それでも、
化学インディゴであっても
シアン系の青を中心に染められていれば、
比較的きれいに抜けることがあります。

今回の品物は、
染めの風合いから見ても
いい感じに抜けそうだと判断して
色抜きをしています。

藍染めハッピの色止め、年季入れ(色抜き)~不自然な赤みを取ってほしい~

色抜き後

このお客様は、
実は色抜きのリピーター様です。

前回、
いい感じに色が抜けたため、
今回もまたお願いしたいと
ご依頼いただきました。

今回も予想通り、
自然な使用感が出るくらいに
色を抜くことができました。

この染められ方であれば、
もっと抜いて
水色に近いところまで
持っていくこともできたと思います。

ただ、
今の仕上がりくらいが
一番無難で、
使いやすいラインだと考えています。

現在は、
使い古したような
水色になるまでの色抜きは
お受けしていません。

そのため、
これくらいの自然な使用感を目安に
色抜きをしています。

◆もう一つの股引と腹掛け色抜き

全く同じ条件で
色抜きをした股引と腹掛けです。

腹掛けは
それほど強い違和感はありませんでしたが、
股引は
見た瞬間にわかるくらい
赤みが強く出ていました。

そもそも
祭り用品の色抜きを始めたきっかけも、
作った法被の色が
赤っぽくて不自然なので、
だめになってもいいから試してほしい
というご相談でした。

紺色は、
青をベースに
赤などを加えて
作られていることがあります。

本来、
3原色でいうシアンは
水色に近い色です。

一般に青と感じる色には
赤みが加わっていることがあり、
逆に
水色っぽく見えるものは
そのままの青に近い色だったり、
やわらかい色合いにするために
黄色が加えられていることもあります。

こうした色を混ぜて作った染めは、
抜けやすい色から先に抜けていきます。

たとえば、
紺色から赤みが抜けると
薄い青系の色に変わります。

さらに青系が抜けていくと
黄色っぽくなったり、
青と黄色が残れば
緑っぽく見えたりすることもあります。

今回の股引のような
赤っぽい色味は、
祭り用品では
比較的よく見かけます。

この場合は、
インディゴや藍だけではない
別の色が使われていることがはっきりわかります。

中には、
ペンキのような塗料系のものが
使われていることもあります。

塗料系だと判断した場合は、
その塗料を落とすことを意識しながら
色抜きを進めていきます。

いずれにしても、
目的は
色を大きく抜くことではなく、
不自然な赤みを取り除いて
自然な色合いに整えることです。

赤っぽくなっているものは、
全体の色があまり抜けないことも
多くあります。

それでも、
数多く扱っていく中で、
こうした不自然な赤みを
抑えられるようになってきました。

画像では色が濃いため
わかりにくいかもしれませんが、
ビフォー画像の下側に見えている股引は、
赤みが出ているのが
少しわかるのではないかと思います。

一方で、
腹掛けには
赤みはほとんどありませんでした。

腹掛けの色は、
先ほどの事例と比べると
あまり色が落ちていないように見えるかもしれませんが、
全く同じ条件で色抜きをしています。

新品の法被色落とし・年季入れ~旦那さんの法被の色に近づけたい!~

◆祭り!股引、腹掛けの色抜き まとめ

同じ工程で色抜きをした
腹掛けと股引でも、
結果として
これだけの違いが出ることがあります。

今回の事例でも、
同じ条件で進めていますが、
染められ方の違いによって
仕上がりには差が出ました。

もちろん、
現物の状態を見て
こちらで判断し、
方法を変えることもあります。

場合によっては、
2回から3回に分けて
少しずつ強さを変えながら
色抜きをしていくこともあります。

基本的に、
色抜きは
藍染めやインディゴ染めの色を整えることを前提に
行っています。

ただし、
色抜きは
保険適用外の工程になるため、
保証対象外であることは
事前に必ず
はっきりお伝えしています。

色抜きを始めた頃と比べると、
祭り用品も
作られ方や染められ方が
変わってきています。

これは服でも同じで、
同じブランド、
同じ店、
同じように見える商品でも、
時期によって
作り方や品質が変わっていることは
珍しくありません。

法被も、
町内でまとめて注文している場合、
同じ店に頼んでいるから
品質も同じだと思われがちです。

でも実際には、
そうとは限りません。

以前、
同じ店でずっと作っているのだから
問題があるなら
クリーニング店のほうではないか
と言われたこともありました。

そこで、
こちらから
その法被を購入した店に持ち込み、
確認してもらったことがあります。

すると、
お店側も
依頼先の工場に任せていて、
実際の品質や染め方までは
把握していませんでした。

さらに、
藍染めではないことをご説明したところ、
その店で
本藍染めの法被を
弁償するという話になったこともあります。

定番品でも、
長く使っている方なら、
いつの間にか品質が変わっていると
感じたことがあるかもしれません。

服も祭り用品も、
長くきれいに使える作りかどうかは、
実際に洗って
仕上げている側だからこそ
見えてくることがあります。

ハイブランド品にも
それぞれ独自の作られ方があります。

だからこそ、
素材や作り方の違いを理解したうえで、
洗い、
しみ抜きし、
仕上げていくことが大切です。

それができるのは、
クリーニング店の中でも
作られ方や品質の違いまで見ながら
対応している個人店ならではの強みだと思っています。

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