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和服 着物クリーニング~4日後に使いたいけどできますか?~

無地、小紋、喪服9,350円~
訪問着11,000円~
留袖11,000円~
振袖13,200円~
襦袢5,500円~
振袖襦袢6,600円~
名古屋帯4,950円~
袋帯6,050円~
襟拭き(ファンデーション等のシミ抜きのみ)4,400円~
仕上げのみ(畳み線、仕舞いシワ伸ばし等)5,500円~
今回の振袖参考価格 
12000円(税込み13200円)

今回は急ぎの追加料金等は頂かず通常価格でお受けしています。

今回の記事は着物を安心して出せるお店がわからないと言ったご相談が増えてきていますので、おしゃれ工房You友の洗い方から仕上げ方法を説明させてもらっています。


◆着物を3日で仕上げることができますか?

おしゃれ工房You友(ゆうゆう)大友 眞吾です。

今回は急ぎの着物クリーニング。
火曜日にお電話があり「金曜日には必要なんだけどできますか?」との事。

おしゃれ工房You友では革製品も和服もすべて当店内で仕事をしています。
もちろん時間によってはできるモノできないモノとありますが、地元のお客様からのご相談には出来る限りお間に合わせさせて頂きます。

当店はしみ抜き専門店でクリーニングはしていないと思われていたり、クリーニングも皮革毛皮、バック靴など特殊品専門店と思われたりしていますが・・・

地元の困ったことを相談して頂きたい地域密着型のお店です。
子どもの体操服、Tシャツなどの相談などもよくあるんです。

もちろん、依頼されればできることはやらせて頂いていますがあまりお金をかけられない体操服とか子供のTシャツなどで家庭でも綺麗にできる事があればその方法を教えて家庭で頑張ってもらう。

子どもの服はその一点を綺麗にしても次から次へと出てきます。
毎回クリーニング店に出すわけにはいかないと思いますのでお母さん、お父さんが頑張ってきれいにしてあげるしかないんです。

受け付けには綺麗にするための方法をプリントして置いてあり説明しながらお渡ししています。
口頭で伝えてもなかなか覚えきれないし実践が難しくなりますから。

携帯に打ち込んでいるお客様、書き留めるメモ用紙が欲しいなど希望されるお客様はたくさんいらっしゃいますので用意した家庭でできる方法のマニュアルです。

こんなことをしていたら仕事にならないってお客様から心配もされますが、家庭でできないモノを依頼して頂ければそれで充分なんです。

その甲斐あって、あそこにもっていけば何とかしてくれるよって口コミも広がってきています。

浜松中の困ったことを相談して頂けるお店を目指しています。

今回は着物クリーニングでしたが、当店ですべてやっていますのでお間に合わせができます。

逆に当店が一番不得意としているのがYシャツ類です。
チェーン店のような機械設備はしていないんです。

特殊しみ抜きが必要なモノ、乾燥機が使えず時間的に間に合わせられないものもありますが困った時はご相談ください。

着物だと3日で仕上げてくれるお店は地元ではないんじゃないかと思います。

ウェディングドレスのシミ抜き~本番まであと3日~

◆急ぎでも通常の和服クリーニングと同じ工程で洗います

和服の洗い工程です。

和服クリーニングは特殊な洗いで難しいって思われている方も多いようですがドライクリーニングになります。

通常の服を洗うのと何が違うか?
家庭洗濯でも汚れがひどいものを洗う、通常のお洗濯、ちょっと高価な服とか丁寧に洗いたい服など洗剤も使い分けながら洗っていると思います。

ドライクリーニングも同じように洗剤があり、洗浄力、加工剤の有無など色々とありますが、水洗いと違う点は洗った溶剤を捨てずに使い続けていくことです。

汚れはフィルター、活性炭などで除去しながら管理をして綺麗な状態を維持していきます。
これができていないと逆汚染と言って汚れが逆について帰ってきてしまうんです。

和服洗いの場合、洗剤を入れると正絹は色が滲む、落ちる、移る、また縮みが出やすいため、昔はノーソープと言って洗剤は入れずに洗うのが基本とされていました。

家庭で水洗いする時、洗剤を入れずに水だけで洗うのと同じです。

すると汚れ落ちは悪くなります。
なので、着物クリーニングは汚れは洗いで落とす、ではなく、しみ抜きで汚れを落とし、しみ抜きで使った薬剤、落とした汚れをすすぐように洗うのが着物クリーニングです。

昔は今のように超音波しみ抜き機などは無かったので繊維を傷めないようブラシ掛けして落としていきました。

私は明治時代からクリーニング業を始めている家系で生まれ、昔ながらの方法も見て育っています。

着物の洗い方もどこかで勉強してきたのではなく曾祖父、祖父、父と受け継いで着た仕事を見て学び、新しい方法を取り入れて洗っています。

エリは二つ折りにして着るため襟山部分のみが皮脂がこすれつき黒ずみます。
エリの両サイドはファンデーションが付着します。

この部分はしみ抜きで除去していかないと残ってしまう部分。
ファンデーションも落ちずに帰ってきてる和服も多数見ています。

袖口の裏側を見て汚れが見える、裾の裏側を見て汚れが見える場合はしみ抜きで落とさない限り落ちません。
蓄積させすぎて真っ黒になっていると洗い工程上でのしみ抜き程度では落ちなくなります。

クリーニングに出す前にこの部分を確認し残っている場合、丁寧に洗ってもらえていないと考えたほうがいいと思います。

単純に洗って仕上げるだけの工程なら和服クリーニングは手間はかかりません。
和服クリーニングはそれなりに高額になるかと思いますが、金額なりの仕事をしてもらえているかの判断ができる部分です。

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脇の黒ずみ、裾の黒ずみ

左画像が裾の裏側、右が脇の汗シミが出てくる部分です。

体内から分泌される汗は99%がただの水なので乾けば消えてなくなります。
残りの1%が変色の原因となる分泌物を含んだ汗になります。

汗取り用の肌着を付け肌襦袢、長襦袢と着ていく事で汗の成分はろ過されるように吸い取ってくれます。
ちゃんと汗対策をして着れば着物に汗が浸透しても水分のみで変色など起こさない可能性が高くなります。

ただ、汗対策をしていても汗と一緒に出てくる油分は浸透していきます。
脇部分がなんとなく黒ずんだような楕円形のようなシミがある場合は汗と一緒に分泌されて染み出た油分になります。

右画像がうっすらと見えている油分のシミ出しを除去している所です。

ドライクリーニングは油性汚れに特化しているとはいえ、汗に溶け込んだ状態でシミ出している油分はただ洗うだけでは落ち切らず残ってしまう事が多いんです。

特に和服クリーニングは洗浄力も低く服のようにガラガラと強い洗いをしないため、まずは事前に除去してから洗っていきます。

和服は数十年とそのまましまわれる方も多く、長い年月をかけると色が抜けたり酸化変色し目立つ汗シミになったりします。

エリ山、エリの両サイドのファンデーション、袖裏、スソ内側、脇。

この5か所はクリーニング時に必ず染み抜きをしていく部分です。

価格に見合った品質かどうかの見分けるポイントです。

◆強い折れシワは伸ばしきれなくなります

今回は残念なことに着物畳みされていなかったため、かなり強い折れシワが付いていました。
着物のお手入れがされない理由の一つに【広げてしまうと畳めない】があります。

以前、チェーン店の受付で着物のシミ抜きで持って行ったらシミの確認をする際に広げたのはいいんだけど畳める人がいない・・・

よそでしみ抜きを断られたと当店にご相談に来られた着物は綺麗に畳まれずにクシャクシャ・・・

お客様も畳むことができなかったので店頭で畳み方を教えてあげたことがありました。
着物は長四角に切った生地を縫い合わせているだけです。
畳み方は一度覚えてしまえば難しくはないし、慣れれば受付カウンターの上でも畳むことができます。

年配のお客様からは私が畳んでいるとこを見て「さすがに手馴れているねぇ」って感心されました。
「40年以上この仕事をやっていますから」って答えたら「あなたいくつよ!」ってビックリされたことがあります(笑)

畳み方はYouTubeで出てきますが今度載せてみようと思っています。
思うだけかもしれませんが・・・

今回は裏も表もかなり酷いシワ・・・
受付時、初めてご来店のまだ若いお客様でしたので畳み方を知らないんだなって思ったものです。

手間がかかるなぁとは思いましたが今回は通常クリーニング代金で急ぎをお間に合わせしできる限り丁寧に仕上げていきました。

裏表、両面手仕上げをしています。

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正絹の裏地のしわ

着てしまえばわからない裏地ですが・・・
基本的に私は裏地も仕上げていきます。

着物すべてに言える事ですが、裏地はアイロンを当てて伸ばしていかないとしわが伸びません。

表側面だけを仕上げて行っても直接アイロンを当てないと伸びないんです。

畳めばまたしわになりますが、シワにしわが重なるのと、伸ばしてからシワになるのとでは広げたときのシワのなり具合が違います。

親父が仕上げているのを見て、見たままを今も続けているだけですが。

裏地のしわ 仕上がり

撮ってあったのでご紹介。
並べてみないとわかりにくいですね。

こういった一手間が品質になっていると思っています。
ネット上のHPを見ているとどこもすごく丁寧で技術があるお店に見えますよね。

綺麗な一点だけを見るのではなく、次から次と事例を載せているお店を選ぶと間違いないと思います。
事例で説明しているお店は、確実に説明していることを実践しているからネット上で公開ができるんです。

綺麗な一枚だけを載せるのは簡単です。
その見た目の品質と仕事が一致しているかどうかは一枚の事例だけではわかりませんから。

◆着物しわ伸ばし 仕上がり①

着物は縫い目が見えないよう「きせ」と言って縫い目の上に生地をかぶせています。
ちょうど画像の真ん中あたりに見える部分です。

生地を重ねて折る事で縫い目を隠すだけじゃなく着て動いたりするときに生地が突っ張られないよう余裕を持たせています。

今回はシワが酷かったのできせを整えながら全体のしわを伸ばしています。

時々、所々きせが開いていて縫い目が見えている着物があります。

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着物しわ伸ばし 仕上がり②

着物をアイロン仕上げする場合、胸元から肩は「馬」を使って仕上げていきます。
この部分の仕上げ画像、撮っていませんでした。

肩、袖も線を付けないように馬を使って仕上げていきます。
畳むため肩と袖は折れ線が付いてしまいますがアイロンで押さえてしまうとくっきりとしたラインが出てしまいます。

当店の場合浴衣仕上げも方と袖は線を付けず和服のように仕上げていきます。
線をくっきり付けてのり付けすると寝巻のような仕上がりになってしまいます。

肩と袖を押させて線を付けると昔はこれじゃ寝間着だろ!って叱られました。

今は逆に濃い目に糊を付け線もつけパリッとしている方がいい、って方も多いようですが・・・

◆着物クリーニング~4日後に使いたいけどできますか?~まとめ

最近、「このお店はここで洗ってるの?」など聞かれることも多くなってきています。
「はい、着物クリーニングもしみ抜きもすべて当店でやっています!!」

クリーニングからしみ抜き、色修正までできるクリーニング店はほぼ無いって言っていいくらい少なくなります。

個人店もどんどんなくなってきているため何をどうしたら良いかわからないモノを相談する場所もありません。

おしゃれ工房You友は地域に密着して地元で困っている事の相談窓口になるよう接客をさせてもらっています。

相談したら出さなきゃいけなくなるような受付はしていませんので友達のように相談して頂ければと思います。

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