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気泡のような浮き?今回の事例は芯地の縮みです。~浮きと縮みでの出方の違い~

浮き、波打つようなヨレ、いずれも一通り修正仕上げをしていく代金となります。

浮きの場合、修正しながら形状記憶樹脂(3D樹脂)を入れながら修正していきますが修正仕上げ時のおまけ的な加工となります。

ジャケット修正仕上げ価格

12000円(税込み13200円)~

詳しくはブログ内容を一読ください。

◆浮きと波打つような凹凸の違い

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

浮きが出てしまったというご相談がどんどん増えてきてご相談が続いています。

実際には現物を見てみないとわからない事もあるのですが、購入して5年以内程度で比較的新しいジャケット、スーツの場合、ウキではなく芯地の縮み、型崩れが原因となっている事がほとんどです。

気泡のような浮きは表生地の裏側に芯地が接着して貼り付けられている場合、その接着剤が劣化したりして一部分のみ剥がれるとウキが出てきます。

周りは貼り付いていて一部のみ剥がれるのでポコッと小さく気泡のように生地が浮いてしまいます。

接着芯の剥がれによる気泡は貼り付けている接着剤の劣化による剥がれになるので、完全補修は接着芯の取り換えになります。

当店で修復してもすぐに剥がれてしまう可能性がありますので、ご依頼をお受けする場合は気泡を直す事を目的ではなく一通り修正仕上げをしていく段階でできるだけ改善できるよう、樹脂を入れて仕上げていきますが、樹脂加工自体はおまけ的な加工です。

樹脂を入れ芯地を貼り付ける、熱をかけると織りの中で樹脂が膨らんで形状を維持する形状記憶樹脂(3D樹脂)を入れて仕上げていきますが、剥離範囲が大きかったりするとしまっておいた時に湿気を含むだけでまた気泡が出てきてしまう可能性もあるし宅配の場合等、畳む事により、すぐに浮きが出てしまう事もあります。

違いはお客様には見分けるのが難しいかもしれませんが・・・

今回も浮き直しでのご相談でしたが、実際には縮みによる型崩れです。

画像は肩部分ですが、このしわ、凹凸は肩の縫い目が縮んでシワになっています。

同じクリーニング店に依頼していても出る服、出ない服があります。

熱乾燥をしても縮むもの、縮まないものが出てくるのですが、作られ方次第です。

ロロ・ピアーナカシミヤストール風合い直し~LINEでの相談の流れを実例でご紹介~

◆今回は芯地の縮みによる凹凸

beforeをよく見て頂くと浮きというより波打つような感じで凹凸が見えます。
これは表生地に貼り付けてある芯地が縮むことで表生地がたるむように余ってしまうから起きる現象です。

この凹凸が出てしまうと、平らに貼り付けられている芯地と表生地に不可がかかるため凸の先端ははがれやすくなり、ウキも出やすくなります。

服の作られ方も使われる材料も、同じブランドでも服ごとに使われる材料など変わっています。

これらの品質とか材料、素材が変わってきているというのが一番よくわかるのが実際に洗って仕上げていくクリーニング店なんです。

内側の芯地だけが縮んだり型崩れしている場合、機械仕上げでは直すことはできないんです。

スーツが気泡のような浮き、波打つような状態になる原因・汗取りなど依頼するときの注意点

服は着た時の形がデザインされています

こちらは後ろ側両サイド部分です。
どんな服でも、必ず着ると人の体が入るためデザインは人の体が入った時を考えて立体的なデザインになっています。

よくクリーニングに出したら型崩れした、ってご相談があったりするのですが型崩れしていないって事もあります。

説明出来るクリーニング店が少なくなっており、当店でよくご説明させてもらったりしています。

人の体が入れば服は丸みを帯びながら膨らみます。
特にブランド品の場合、人が着た時のシルエットなどを3Dデザインして作っているのでデザイン通りの形になるには着るかマネキンなどに着せてみないとわからないんです。

クリーニングから帰ってくるとハンガーに吊るされています。
この状態は平らになっているので膨らみは無いし着た時に膨らむことでデザインされている服は変な部分にしわができたり折れたりしてしまうので形が壊れたように見えるんです。

チェーン店からのご相談時も説明してクレームはおさまっていますし、お客様も説明すれば納得してもらえます。

この画像を見て頂くと凹状態になっています。

ここはハンガーに吊るしてあっても丸みを帯びています。
芯地の縮みにより表生地が内側に引っ張られるようにして凹になっています。

着て人の体が入っても綺麗な丸みを帯びないので着た時のシルエットは壊れています。

ほとんどのスーツが型崩れしています

機械仕上げでもある程度の縮みは修正できる、人体形成プレス機があります。
人型のロボットに着せる事で立体的なデザインで仕上げることが出来る機械です。

ここから先の説明はチェーン店の仕事で何も問題が無いって方は知らないほうが幸せかも・・・
着るに支障はない程度の型崩れになります。

上画像を見るとポケットの上側、縫い目付近が縮んでいるので少ししわが見えます。

ポケット自体、ちょっと寄れた感じがあります。
ポケットをめくると湾曲したポケットの入り口が見えます。

人体形成プレス機に掛けると縮みを修復する際に引っ張る工程が入るためこの部分が湾曲します。

湾曲すると着た時の裾ラインも湾曲してしまうため型崩れが起きる=シルエットが壊れるんです。

ただし・・・説明しない限りほとんどのお客様は気が付いていません。

質問されれば説明しますが聞かれなければ説明はしない部分です。

知らなければ何も気が付かず気にもせず使えますので・・・知らないほうが幸せって言った理由です。

気が付くお客様も直っているって事に気が付く訳ではなく・・・

なんか、着た時の形が違う「気がする」という感じで言われることが多いかな。

デザインとか形状に関係なく一律にスチームで蒸して機械で引っ張って伸ばして縮みを直していくため、ジャケットでもコートでも裾が湾曲している服って結構あるんです。

◆芯地の縮みによる型崩れ まとめ

今回はウキではない芯地の縮みによる凹凸修復でした。

購入して5年以内程度なら、ほとんどの場合は芯地の縮みによる凹凸だと思います。

服の作られ方が変わったのか、材料が変わってきたのか、クリーニング店の方法が変わったのか・・・

今でもクリーニング店に出すと1点1点アイロンで仕上げているって思われている人も多いようですが、チェーン店ではアイロン仕上げはほとんどされません。

アイロンでスーツを手仕上げできる職人がいなくなってきたからという事もあります。
直してしまえばお客様にはわかりません。

お客様にはこの芯地の縮みによる型崩れは、自然乾燥するコースで出すか、自然乾燥する個人店へ依頼しないと一度でまた同じようになってしまいます、とお伝えしています。

最後に一つ・・・
普通にクリーニングに出されてもこの修復仕上げまではしていません。

修復で依頼を受けた場合、復元洗いなど特殊な洗い方をした時は修正仕上げをしていきます。

アクアスキュータムコートクリーニング 型崩れ直し

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