復元洗いは状態、素材により工程が異なるため、現物を確認してからのお見積りとなります。 今回のKANSAIトレーナー復元洗いのお見積りは 12000円~15000円(税込み13200円~16500円) 実際の価格は13200円(税込み)
◆綺麗にするためのリスク
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
「こんな状態でも綺麗にできる・・・?」
こんな感じで持ち込みでご相談がありました。
20年程前に数回だけ着用・・・そして10年位前に見てみたらひどい黄ばみとシミだらけの状態になっていたとの事でした。
雰囲気的には絶対に無理だろうなぁ・・・って感じでのご相談でした(笑)
クリーニング店には二つ返事で「無理です」と言われたトレーナです。
カメラで撮ると自動的に補正がかかってしまうためわかりにくいですが、全体的に薄汚れた感があるような黄色味変色がムラになって出ています。
おなか辺りには濃い茶系に変色したシミが数か所。
綺麗にするためには全体を綺麗にする復元洗いになりますがリスク満載のトレーナです。
まずはアルファベットの黒い部分。これが一番の問題・・・
薄い人工皮革のような感じの素材。
剥がれる、破れる・・・この部分が一番破損する可能性が高いとご説明。
次に裏面。
背中全体が本体とは違う生地に柄があります。
全体を綺麗にしようとしてこの黒い部分の色が出てくると色にじみ、ほかの部分への色移りなどが出てしまいます。
復元洗いといっても色んな工程があり、今回は付きっきりで状態を見ながら対応していく必要がある復元洗いとなります。
ものすごく手間のかかる復元洗いとなっています。
「本当にダメになってしまった場合、代金は頂きませんが元に戻す事もできなければ保証もできません。着られるレベルまで復元できた場合、12000~15000円かかります。」
とご説明させて頂いています。
「こんな状態でも綺麗にできる・・・?」
こんな感じで持ち込みでご相談がありました。
20年程前に数回だけ着用・・・そして10年位前に見てみたらひどい黄ばみとシミだらけの状態になっていたとの事でした。
雰囲気的には絶対に無理だろうなぁ・・・って感じでのご相談でした(笑)
クリーニング店には二つ返事で「無理です」と言われたトレーナです。
カメラで撮ると自動的に補正がかかってしまうためわかりにくいですが、全体的に薄汚れた感があるような黄色味変色がムラになって出ています。
おなか辺りには濃い茶系に変色したシミが数か所。
綺麗にするためには全体を綺麗にする復元洗いになりますがリスク満載のトレーナです。
まずはアルファベットの黒い部分。これが一番の問題・・・
薄い人工皮革のような感じの素材。
剥がれる、破れる・・・この部分が一番破損する可能性が高いとご説明。
次に裏面。
背中全体が本体とは違う生地に柄があります。
全体を綺麗にしようとしてこの黒い部分の色が出てくると色にじみ、ほかの部分への色移りなどが出てしまいます。
復元洗いといっても色んな工程があり、今回は付きっきりで状態を見ながら対応していく必要がある復元洗いとなります。
ものすごく手間のかかる復元洗いとなっています。
「本当にダメになってしまった場合、代金は頂きませんが元に戻す事もできなければ保証もできません。着られるレベルまで復元できた場合、12000~15000円かかります。」
とご説明させて頂いています。
シャネルスーツ全体変色、カビシミ取り~諦めきれないシャネルスーツ~
油汚れの変色はかなり取れないシミの一つ
食べこぼしなどのシミはほとんどの場合調理油が使われるので家庭で洗っても油が落ちずに残ります。
透明感のある黒ずんだ感じで残るシミはほぼ油シミです。
薄く見えない状態、目立たない状態でも時間と共に酸化発色し目に見えるようになります。
油の場合だと5~10年くらいの時間かけて酸化変色する感じかな・・・
くっきりと黄ばんだ状態で酸化黄変していると漂白しても落ちないシミとなり染み抜きに長けた個人店でも落とせない可能性が高くなるシミの一つになります。
画像のシミはしまう時にはなかったシミとの事でしたが・・・見た感じ酸化した油シミ?という感じです。
最終的にこのシミはやはり酸化した油シミだったようで薄く残っています。
薄く残った状態でしみ抜きを止めたのにも理由がありますのでご説明もしていきます。
透明感のある黒ずんだ感じで残るシミはほぼ油シミです。
薄く見えない状態、目立たない状態でも時間と共に酸化発色し目に見えるようになります。
油の場合だと5~10年くらいの時間かけて酸化変色する感じかな・・・
くっきりと黄ばんだ状態で酸化黄変していると漂白しても落ちないシミとなり染み抜きに長けた個人店でも落とせない可能性が高くなるシミの一つになります。
画像のシミはしまう時にはなかったシミとの事でしたが・・・見た感じ酸化した油シミ?という感じです。
最終的にこのシミはやはり酸化した油シミだったようで薄く残っています。
薄く残った状態でしみ抜きを止めたのにも理由がありますのでご説明もしていきます。
一番破損する可能性が高い部分
アルファベットロゴ部分です。
実際には何で作られたかなどまで正確にはわかりません。
触った感じではパリパリとした感がありものすごく薄い生地。
裏面を見てみるとその薄い生地の淵を金色のラメ糸で刺繍するようにして縫い付けられています。
ダメになっても保証はしないとご説明していますが絶対にそうならないようにと洗っていきます。。
実際には何で作られたかなどまで正確にはわかりません。
触った感じではパリパリとした感がありものすごく薄い生地。
裏面を見てみるとその薄い生地の淵を金色のラメ糸で刺繍するようにして縫い付けられています。
ダメになっても保証はしないとご説明していますが絶対にそうならないようにと洗っていきます。。
ロゴ部分の強度を上げるコーティング
触った感じではものすごく薄いポリエステルかも?と思いながら・・・
でも品質表示には素材が記載されていないんです。
表示法では5%以下は記さなくてよいという変な基準があり・・・
この表示の%は面積ではなく比重で記されているのでこのロゴ部分は1%にも満たないんじゃないかな。
でもこの部分が破損したらデザインが壊れてしまいます。
クリーニング業者からすると洗いにしてもしみ抜きにしても正確に素材を知る必要があります。
気が付かずにやってしまうと破損する可能性とか素材が溶けてしまう可能性があるんです。
ただ普通に洗うだけなら問題なくてもシミを取るためにはいろんな薬剤を使っていくからです。
このロゴ部分は破れる可能性を何度も説明し確認をしています。
もし剥がれてしまった場合、裏面に見える生地がそのまま出てくると思うので剥がしてしまえば着ることは出来るなどのご説明もさせてもらっています。
できる限り破損しないように強度を上げるため、表面にコーティングをしています。
光沢などデザインに変化が出ないよう透明度が高いコーティング剤に多少の引っかかりとか洗っている時に水分を含んだ自重で引っ張られても裂けないようストレッチ性を持たせたコーティングをしています。
でも品質表示には素材が記載されていないんです。
表示法では5%以下は記さなくてよいという変な基準があり・・・
この表示の%は面積ではなく比重で記されているのでこのロゴ部分は1%にも満たないんじゃないかな。
でもこの部分が破損したらデザインが壊れてしまいます。
クリーニング業者からすると洗いにしてもしみ抜きにしても正確に素材を知る必要があります。
気が付かずにやってしまうと破損する可能性とか素材が溶けてしまう可能性があるんです。
ただ普通に洗うだけなら問題なくてもシミを取るためにはいろんな薬剤を使っていくからです。
このロゴ部分は破れる可能性を何度も説明し確認をしています。
もし剥がれてしまった場合、裏面に見える生地がそのまま出てくると思うので剥がしてしまえば着ることは出来るなどのご説明もさせてもらっています。
できる限り破損しないように強度を上げるため、表面にコーティングをしています。
光沢などデザインに変化が出ないよう透明度が高いコーティング剤に多少の引っかかりとか洗っている時に水分を含んだ自重で引っ張られても裂けないようストレッチ性を持たせたコーティングをしています。
◆復元洗い・色が大量に出てくる・・・
エリ、袖口、油性系だろうと思われる箇所のシミ抜きをした後、一度水洗いをしています。
画像左側、色の出方を確認するために常温水、中性洗剤で洗ったところ、色はほとんど出てこない状態でした。
画像右側、黄ばみ変色などを落とすために薬剤を入れ水温を上げてつけ置きすると・・・色がドバドバって感じで出てきて洗剤液が染まった状態。
このトレーナをお受けした際の想定内でしたが、この状態になると復元洗いの工程をすべて付きっきりで作業していく事になるんです。
色が出ても色が移らない洗い方、色にじみさせない洗い方があるんです。
一度目のつけ置きで色がかなり出てきたのですすぎ、出た色で染まらないようつけ置き剤を作り直して再度復元洗いをし直しています。
すでに1時間程度付きっきりの作業となっています。
画像左側、色の出方を確認するために常温水、中性洗剤で洗ったところ、色はほとんど出てこない状態でした。
画像右側、黄ばみ変色などを落とすために薬剤を入れ水温を上げてつけ置きすると・・・色がドバドバって感じで出てきて洗剤液が染まった状態。
このトレーナをお受けした際の想定内でしたが、この状態になると復元洗いの工程をすべて付きっきりで作業していく事になるんです。
色が出ても色が移らない洗い方、色にじみさせない洗い方があるんです。
一度目のつけ置きで色がかなり出てきたのですすぎ、出た色で染まらないようつけ置き剤を作り直して再度復元洗いをし直しています。
すでに1時間程度付きっきりの作業となっています。
全体に色が移り染まってしまう・・・今度は色移り取り
左画像は復元洗い後にシミの落ち具合を確認していますが・・・
画像での確認は難しいですが全体がうっすら青っぽく染まった状態になっています。
シミは残ってはいるものの、ほとんどのシミは取れた状態、ロゴも無事な状態になっているので、今度は染まった色を落としていきます。
色移り、色にじみが出たご相談はとても多いのですが、色移りが落とせないとこのトレーナーも失敗してしまったって事になってしまいます。
色が移る、すぐ落とす、と続けてやっていくため、染まった色は綺麗に除去できています。
右画像 すすぎ後の水ですが色が出ていないことがわかります。
私自身もこうした事を目で確認しながら作業を進めています。
画像での確認は難しいですが全体がうっすら青っぽく染まった状態になっています。
シミは残ってはいるものの、ほとんどのシミは取れた状態、ロゴも無事な状態になっているので、今度は染まった色を落としていきます。
色移り、色にじみが出たご相談はとても多いのですが、色移りが落とせないとこのトレーナーも失敗してしまったって事になってしまいます。
色が移る、すぐ落とす、と続けてやっていくため、染まった色は綺麗に除去できています。
右画像 すすぎ後の水ですが色が出ていないことがわかります。
私自身もこうした事を目で確認しながら作業を進めています。
◆復元洗い後、残ったシミをしみ抜きで除去
今回は復元洗いで全てのシミが取りきれていないのはわかっています。
普通のトレーナならもっと強い薬剤を使い復元洗いをしていくのですが今回は色々とリスクが高いため無理をせず洗い上げ、残った箇所はしみ抜きで落とす選択をしています。
思った以上にうっすらとムラとなり残っていた・・・
濡れている時には見えなかったシミです。
おなか全体にムラがあり、最初に酸化した油シミ?って思った部分は薄くはなりましたが残っています。
酸化変色をおこした油シミはうっすらと残りましたが言われなければわからないレベルまで落としています。
広範囲のムラはほかの部分と色合いが変わらないように注意しながら漂白して落としていきました。
普通のトレーナならもっと強い薬剤を使い復元洗いをしていくのですが今回は色々とリスクが高いため無理をせず洗い上げ、残った箇所はしみ抜きで落とす選択をしています。
思った以上にうっすらとムラとなり残っていた・・・
濡れている時には見えなかったシミです。
おなか全体にムラがあり、最初に酸化した油シミ?って思った部分は薄くはなりましたが残っています。
酸化変色をおこした油シミはうっすらと残りましたが言われなければわからないレベルまで落としています。
広範囲のムラはほかの部分と色合いが変わらないように注意しながら漂白して落としていきました。
最後にもう一度クリーニング
同じような画像ですが、最後のクリーニングです。
しみ抜きが広範囲だったため、つけた薬剤が残留する可能性があるので全体を洗いながら薬剤を洗い流していきます。
しみ抜き台って直径10cmくらいの大きさの台で、下からバキュームで吸い取るようにしてシミや汚れ、つけた薬剤を吸い取りながら取っていきます。
広範囲になるとすすぎ際に水分が付着するため薬剤が広がり、すすぎ残しが出てしまう可能性が高くなるんです。
ご相談の中にも、しみ抜きしてもらった周りが変色したとか、丸い大きな輪シミになった、などありますが、変色が出てしまったって場合は薬剤が残留していた可能性が高くなります。
特に受け取った時は綺麗に見えたけど時間が経ったら丸く変色して出てきたって場合は薬剤の残留による変色になります。
しみ抜きが広範囲だったため、つけた薬剤が残留する可能性があるので全体を洗いながら薬剤を洗い流していきます。
しみ抜き台って直径10cmくらいの大きさの台で、下からバキュームで吸い取るようにしてシミや汚れ、つけた薬剤を吸い取りながら取っていきます。
広範囲になるとすすぎ際に水分が付着するため薬剤が広がり、すすぎ残しが出てしまう可能性が高くなるんです。
ご相談の中にも、しみ抜きしてもらった周りが変色したとか、丸い大きな輪シミになった、などありますが、変色が出てしまったって場合は薬剤が残留していた可能性が高くなります。
特に受け取った時は綺麗に見えたけど時間が経ったら丸く変色して出てきたって場合は薬剤の残留による変色になります。
◆ブランドトレーナー 数十年前の全体変色とシミ抜き・まとめ
仕上がりです。
一番びっくりしたのはお客様です。
色も落ちず全体の変色も取れ残ったシミも言わなければ気が付かなかったレベルです。
最後の洗い画像を見て頂くとわかりますが、このトレーナーは水洗い程度ではもう色が出てきません。
過剰に乗っていた色を綺麗に洗い流す事で定着した色だけが残るから色が落ちなくなるんです。
染物をした際、この定着していない染料、顔料を洗い流さないと色が滲んだり移ったりしてしまうんです。
過剰に乗っている染顔料を洗い流す事をソーピングと言うのですが家庭で洗って色移りする、色にじみするのはソーピングが甘いからです。
今回は色落ちがほとんどわからないレベルで仕上がっていますが、これは当店が上手だからです!・・・と言いたいところですが・・・
メーカーがしっかりと色を定着させてくれていたからです。
最初に水洗いする程度ではほとんど色落ちしなかった時点で、しっかり作られているって事がわかります。
このソーピング工程で色が薄くなる、色褪せてしまうような染められ方をしていたら色落ちさせずに綺麗にすることは出来ないんです。
これはたとえ日本一の技術を持った職人がやったとしても同じです。
今回、想定していた以上に手間がかかってしまいました。
実際、どんな作られ方をしているのかは目で見ただけではわかりません。
シミや変色もどの段階で取れてくれるのか、色はどの程度出てくるのかなどは実際に手掛けてみないとわからないんです。
目視だけではなく手で触り風合い、質感変化なども確認しながら起きていることに対して臨機応変に対応していくしかないんです。
今回仕上がりまでに色々な事象がありましたが、その都度起こった事象に対応できるスキルが無ければ受けることが出来ないんです。
どこへ相談しても断られる理由です。
一番びっくりしたのはお客様です。
色も落ちず全体の変色も取れ残ったシミも言わなければ気が付かなかったレベルです。
最後の洗い画像を見て頂くとわかりますが、このトレーナーは水洗い程度ではもう色が出てきません。
過剰に乗っていた色を綺麗に洗い流す事で定着した色だけが残るから色が落ちなくなるんです。
染物をした際、この定着していない染料、顔料を洗い流さないと色が滲んだり移ったりしてしまうんです。
過剰に乗っている染顔料を洗い流す事をソーピングと言うのですが家庭で洗って色移りする、色にじみするのはソーピングが甘いからです。
今回は色落ちがほとんどわからないレベルで仕上がっていますが、これは当店が上手だからです!・・・と言いたいところですが・・・
メーカーがしっかりと色を定着させてくれていたからです。
最初に水洗いする程度ではほとんど色落ちしなかった時点で、しっかり作られているって事がわかります。
このソーピング工程で色が薄くなる、色褪せてしまうような染められ方をしていたら色落ちさせずに綺麗にすることは出来ないんです。
これはたとえ日本一の技術を持った職人がやったとしても同じです。
今回、想定していた以上に手間がかかってしまいました。
実際、どんな作られ方をしているのかは目で見ただけではわかりません。
シミや変色もどの段階で取れてくれるのか、色はどの程度出てくるのかなどは実際に手掛けてみないとわからないんです。
目視だけではなく手で触り風合い、質感変化なども確認しながら起きていることに対して臨機応変に対応していくしかないんです。
今回仕上がりまでに色々な事象がありましたが、その都度起こった事象に対応できるスキルが無ければ受けることが出来ないんです。
どこへ相談しても断られる理由です。