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断られる事例~たすきのシミ・色滲み取り~

洗う事を想定して作られていないモノは基本料金設定はありません。

現物を確認し、難易度、手間などを考えお見積りとなります。

今回のたすき色滲み変色取り
参考価格

7000円(税込み7700円)

詳しくは下記をご覧ください。

◆作り直したほうが安い?

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。

今年は色々な事が動き出し、地元浜松でも浜松祭りが開催されました。

コロナ前とはいろんな事が変わり前と同じではなくなったお祭りにはなりましたがこれも時代の流れかな。

垂れ幕のシミ抜きから法被の色抜きなど、ここ3年全くなかったご依頼も出てきました。

その中の一つ、たすきです。

3年前くらいに作ったとの事でしたがコロナの間は使われずしまってあったとの事。

画像では補正がかかるためよくわからないと思いますが、白い部分は全体的に黄ばみがあり縁に縫い付けらrている赤、文字の色はかなり滲んでいます。

パッとみて・・・「かなりリスクも高いし作り直したほうが安くなると思うけど・・・」とお話をしました。

それでも「今回はお願いします。」という事でお受けさせてもらいました。

お見積りは手間と難易度を考えて出させて頂きます。
購入金額を超える事もあるかと思いますが、お金では買えることが出来ない大切なモノもたくさんお受けしています。

お見積りを出させて頂いた後はお持ち帰りでもご依頼でもお客様のご判断次第です。


コートの色滲み取り~手洗いコースとバケツでの手洗いとの重要な違い~

洗う事を前提で作られないモノのリスク

服には必ず保証書の役割となる品質表示が付けられています。

とても大切なモノだけど知っている人はとても少ないので知らない方は下にリンク貼っておきますので読んでみてください。

品質表示をすべての服に付けることで粗悪品が出回らないよう国で基準を作り管理され法律で守られているんです。

基準に則ってテストをし、不具合が起きない扱い方法を記し、指定に従って不具合が起きた場合は保証する事、とされています。

しかし、この表示義務対象外となるモノもあります。
その中に1点づつ作るオーダー品、和物(着物類、祭り用品など)があります。

対象外の品質は作る職人(業者)に任せられています。

今回のたすきもオーダー品であり、服ではないので表示はなく、前提として洗う事も考えられていません。

だから、洗って不具合が出るとメーカー保証はされず洗った人の責任となります。

今回もお受けする際、「洗う事で状態が悪化し使えなくなるかもしれませんが、弁償、保証は一切出来ません」と説明させて頂いています。

ただし、これは綺麗にできる可能性が結構高いと判断も出来たのでダメになったら代金は頂かないという成功報酬制でお受けしています。

綺麗にできる分しかできません、という事もお伝えしています。


◆茶色く変色した部分のシミ抜き①

既に40年ほど色々な事象を経験してきた私ですが、まだまだ綺麗にできるのかどうかわからない事もたくさんあります。

今回は水分で色が滲んでいるし、簡単には取れない変色を強い酸化剤など使って除去していくような工程になります。
使う薬剤の濃度、温度、水分量なども考えながら綺麗にできる方法を探りながらの作業になります。
手間はかかりますが、こういった事例を一つでも多くやっていく事が自身のスキルになり成長することが出来ます。

何より・・・楽しい・・・(笑)

まずは落とせる汚れを落とすよう、ちょっと特殊な洗い方をしています。

色滲みする服を、色滲みを出さずに洗う方法ってあるんです。

そして色滲みする文字にまでシミがかかっているので、色滲みを出さないよう、酸化剤をうまく使いシミを除去しています。


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茶色く変色した部分のシミ抜き②

こちらは範囲が大きいシミですが、薄かったこともあり綺麗に取れています。

しみ抜きは1か所ずつの作業になるため、最初のシミ抜きで文字の色がどの程度で滲みだすのかなど状態も分かってきます。

(お酒がかかって色が滲んだのかな・・・)

短時間の水分付着程度では色が滲み出てこないことが分かった分、こちらのシミは除去しやすくなりました。

ただし、しみ抜きした部分はきれいな白になってしまうため、周りの黄ばみが結構目立つというか、黄ばみの中に白い色が色抜けしたように見えていました。

白いモノをしみ抜きするとよく起きる事象です。

画像の after は白地全体まで漂白しています。

画像では補正かかるからわからないかな・・・


文字の色にじみ落とし

家庭洗いでの事故として「洗ったら色が滲んだ」「ほかの服に色が移った」というご相談はたくさんあります。

「酸素系漂白剤でつけ置きしたけど落ちなかった」とよくお聞きします。

でも、酸素系漂白剤は色柄物でも安心が売りの漂白剤ですので、染料が移った場合は取れることが無いんです。

染料まで漂白されたら色柄物を安心してつけ置き出来ません、

茶色のシミを落とすしみ抜きと色にじみなどを落とすしみ抜きは全く別のシミ抜きになります。

色が滲んだ場合とほかの服から色が移った場合でもまた違うしみ抜きになります。

そして、染料、顔料など色の付けられ方の違いでもしみ抜き方法はまた違うんです。

今回のようにおそらくはお酒、飲み物などの水分が付着して色が滲んだ場合、水洗いしたりすると色にじみが悪化したりします。

色が滲む服をどう洗い、滲んだ場合はどう落していくか・・・

お客様からたくさんご依頼をして頂けたおかげでかなりの確率で取ることが出来るようになった技術の一つです。

元の文字の色に変化をほぼ出すことなく使っても滲みはわからないレベルで落とすことが出来ています。

この状態からあと少し微妙に見える部分まで無理して落とそうとすると失敗する確率がかなり上がるんです。

問題なく使えるレベルまで取れていますので、無理せずここまでとし、仕上げていきます。

◆たすきのシミ抜き・色滲み取り まとめ

今回はたすきのシミ抜きもできます!とお伝えしたいわけではありません。

クリーニング店へ持って行っても断られるような事例としてご紹介しています。

実際、断られるだろうし無難なクリーニングではシミも滲みも落ちることなく帰ってきます。

地元浜松では口コミから色々な「すごいモノ」のご相談が多くあります(笑)

おしゃれ工房You友(ゆうゆう)は高級クリーニング店ではないしすごいお店でもありません。

ご相談頂く1点に対して何ができるかと、どうしたらいいかなどをお客様のご要望に対して添えるようなお手伝いをさせて頂くだけです。

大切なモノって購入額は関係ありません。
どうしても何とかしなくてはいけないモノってあったりします。

「あそこへもっていけば何とかしてくれる」

と教えてもらったと初めてのお客様からよく言われます。

できる事しかできませんが、お持ちいただき現物を拝見させて頂ければできる事のご説明をさせて頂きます。

話を聞けて良かった!

お客様から頂ける嬉しい言葉です^^

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