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藍染めハッピ色落とし~藍ではない染め方を可視化・一目でわかる違い~

法被色落とし 参考価格
7000円(税込み7700円)~

股引・腹掛け色落とし参考価格
6000円(税込み6600円)~

藍染めとして注文して作られた法被でも染められ方により色の抜け具合が変わります。

色の抜け具合と説明をさせて頂きますので下記をご覧ください。

◆染められ方による色の抜け方の違い

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。

今年はお祭りも行われるようになり藍染め法被、股引や腹掛けなどの色抜きのご依頼がたくさんありました。

以前は法被以外の色抜きはお受けしていませんでしたが、お客様のご要望、色抜きの考え方と方法も改善してきましたので、この辺りも今回ご説明させて頂きます。

まずは染められ方ですが、画像を見て頂くとちょっと浸かっている液が黄色っぽい色になっているのがわかると思います。

藍染めとして作られていても本藍で染められている法被はほとんどありません。

本藍の場合、今だと最低でも7万~程度はするんじゃないかな。
昔ながらの草木染めによる藍100%で染められている場合、藍染めの頭に「本」が付き「本藍染め」と書かれています。

草木染の藍100%以外には「本藍」としてはいけないという取り決めがあるとの事でした。

藍染めは藍に含まれるインディゴという成分で染めていくのですが、今ではインディゴは化学的にも作れるようになっています。

天然染料のインディゴは水色~重ねて濃くなった紺色に近い濃い水色だけでしたが、

化学染料のインディゴは色が赤青黄色と作られ、いろんな色のインディゴが出ています。

本来は薄い水色を何度も重ねて独特の藍色を作っていたのですが、赤青黄色と3色があると紺色を混色して作れてしまいます。

3色を混ぜて作られると、色を抜く工程をした場合、抜けやすい色が先に抜けていくと本藍染では起きることがない色変化が起こってしまいます。

例えば青に赤を入れて紺色を作っていた場合、青が先に抜けていくと赤っぽい色に変化してしまいます。

本藍染めでは起こらない色の変化になります。

どんな染められ方をしているかは見た目ではわからず、色抜きをしてみないとわかりません。

そのため抜け具合、ムラになるならないも実際に抜いてみないとわからない・・・

この辺りも踏まえ、着られない状態にならないようどうやって抜いていくかを考え方法も改良してきました。

画像はちょっと黄色っぽい色になっているのがわかると思います。
藍染めあるいはインディゴで染められている場合、黄色っぽい色が出てきます。

酸化発色といってこの黄色っぽい染料が綿の繊維に付き、空気中の酸素に触れることでほんのりと薄い青色に酸化発色します。

デニムでも洗ったら黄色っぽい色が出てきたという場合、ちゃんとしたインディゴ染めのデニムという事になります。

紺色などそのままの色が出てきた場合は違うもので染められているか混ざっているという事になります。

洗った時、黄色っぽい液体が出てくる場合、色抜きをすると数十年使った時のような雰囲気の色が出てきます。


ハッピクリーニング~ハッピの色滲み取り~

藍でもインディゴ染めでもない法被

こちらも藍染めとしてお受けした法被の色抜きした時の色です。

左が一度目、右が数回色落としした後の色です。

この法被に付いては、インディゴでは染められていない法被になります。

藍染め、インディゴ染めとよく似た硫化染めという染色があります。

色落ちを楽しみながら、でも藍、インディゴ染めに比べると色落ちしにくい染め方法になります。

これが硫化染めなのか、化学染料で染められたモノなのかはわかりません。

中には最初に黄色っぽい液体が出てきたあと、紺系の色が出てくることもあります。

インディゴで下地染めをし、インディゴの上に違う色を乗せ、色落ちするように作られていている法被もあります。

いずれにしても、この法被に関してはインディゴでは染められていなかったという事になります。


顔料染めされている法被

ものすごく色が落ちない法被もあります。
ちょっと擦ると白くなる法被もあります。

表面を手で触った時に不自然に硬くなっている場合や、不自然な赤みが見える場合など・・・
顔料が表面に載せられている可能性が高くなります。

下地をインディゴ、その上から顔料など方法は様々。

一番厄介なのは藍染めは色落ちするものという認識が高いので、わざと色落ちするように色を付けられている場合。

落ちるように付けられている色が全て落ち切るまで色落ち、色移りし続けます。

顔料染めとは簡単に言えばペンキで色を塗っているのと同じようなモノです。

染めではなく塗装ですね。

最初に見たときは何が起きているのか思考が追い付きませんでした。

画像を見て頂くとわかる通り、顔料とは色の付いた粒子を接着剤で貼り付けるようにして色を付けているため、洗うと顔料のカスが残ります。

染料は水に完全可溶し繊維自体に浸透して染まるモノなので、こうしたカスが出たりすることは無いんです。

不自然に硬い、というのも顔料は接着剤で色の粒子を貼り付けているため、接着剤が固まるとパリパリになるように硬く糊を張った感じで硬くなるんです。

ハリを出すために張られる糊は基本でんぷん糊が使われるので水洗いすると落ちていきますが、顔料の場合は簡単には落ちていきません。

色は出るのに硬さは取れない・・・

これも藍染めの法被として注文さている法被になります。

色抜きを始めた当初、おかしな状態になるのはクリーニング店が下手だから、と言われていました。

色が移るのも滲むのもクリーニング店が下手だからと。

法被は本来水洗いして使っていくものです。

ちゃんとした染められ方をしていれば藍染めでも色にじみなど出すことなく水洗いが出来ます。

ちゃんとした職人のお店で作る藍染めはそんなに簡単に色移りしたり水が付いた程度で色が滲んだりなどすることは無いんです。

「洗ったら色が移った、雨に濡れたら色が滲んだなんてもの売ってたら商売にならないだろ!」

職人さんの言葉でした。


◆インディゴ染めの色抜き

ご相談時、これは水色系の色が出てくるんじゃないかな、とお伝えした法被です。

色抜き前がとても自然な色合いで、ムラ感も藍染めらしいムラ感。そしてインディゴのような香り。

ただし、20年以上昔のものという事でしたので、水色まではいかないかも、とお伝えしています。

藍染めは藍玉と呼ばれる色の付いた粒子が繊維の間に引っかかるような形で色付いています。
だから色落ちしやすい染めと言われます。

アク抜きといって、水が付いて動いてしまう藍玉を洗い流す事で、色移りしない藍染めを作っています。

そしてこの藍玉は繊維の間に引っかかったまま年月が経つと藍玉の紺色の色素が繊維に浸潤していき繊維自体に色が付きます。

浸潤した色はかなり落ちにくく、藍色独特の色になります。

そのため、藍染めの場合は染めてから5年、10年と浸潤させるために寝かせておくことで価値が上がり高品質の藍染になります。

この法被はそれぞれ違う年に作られたとの事でしたので、同時に色抜きしても色味は変わると思います。という事でお受けしています。


エルメスガーデンパーティー~色移り取り~

インディゴ染め背中文字

地元でも良い生地でオーダーして作るって法被もありますが、注意点があります。

それが背中の文字部分。

内側から見てみると、背中の文字が裏面まで浸透しているものとそうでは無いものがあります。

表面から裏まで塗料が浸透していれば簡単に落ちることは貸いのですが、裏を見たら本体の紺色そのままが見えている状態の表面にプリントされているだけのものもあります。

裏をみて紺色そのままの場合、表面だけに色が乗って貼り付けてあるだけなので洗ったり着たりしているうちに擦れると色が剥がれ下地の紺色が出てきます。

結構高額で作られた生地が薄い法被の色抜きの依頼もありましたが、文字が表面プリントだったので色抜きはかなりリスクが高いからやめたほうがいい、とアドバイスした法被が何点かあります。

なら色ぬきはせず、着る前に一度洗いたいからと洗ったわけですが、綺麗に畳んで丁寧に押し洗いをしていきましたが2か所くらい、赤い文字の色が剥がれぽつぽつと下の紺色が出てきていました。

先に説明してあったため
「ほんとだねぇ・・・」
という事で済みましたが説明していないと・・・

洗えるように作られていなければダメになるのは服でも同じです。

服には品質表示が必ずつけられていて、法律で服の品質を守っているのですが、
オーダー品、マルチ用品や和物は作る業者に品質を任せているのが日本の法律です。

作る職人次第で品質は変わります。


◆股引(ももひき)と腹掛けの色落とし

藍染めとして買われた股引(ももひき)と腹掛けです。

以前はお受けしていなかったのです。
その理由としては色の変化が出やすかったからです。

股引と腹掛けはかなり色が落ちにくく、抜こうとがんばると抜けやすい色から抜け、予想外の色変化が起きてしまっていたんです。

画像を見ると片方が赤茶っぽい色になっています。
何度かお客様が洗っているとの事でしたが・・・

藍、インディゴ染めで紺色を作っていく場合、赤っぽくなることは無いんです。

購入して新品の状態でお預かりすることがほとんどになる色抜きですが、色変化が出てしまうと使えなくなります。(中には新品より良いと変わった色でもそのまま使って行くお客様もいらっしゃいます。)


ゆうゆうのしみ抜き紹介①

股引と腹掛け色抜き工程

藍染めとして色抜きをする方法の場合、藍、インディゴ以外の色は抜けないんです。

そのため、法被など袖裏に柄の裏地が縫い付けられている場合、色落ちはほとんどせず本体だけ色が抜けるんです。

今現在の方法は、まずは藍染めとしての色抜きをし、抜いた後の状態を見て次にどの工程をするかを決めていきます。

画像は一度藍として色抜きをした後、少しでも赤みが収まる様違う方法で色抜きをする、といった工程です。

股引と腹掛けは硫化染めされたものじゃないかな。

デニム系などもリーズナブルな価格帯のものは硫化染めされているモノが多くなります。


股引と腹掛け・色抜き後

色抜き後です。
濡れていると色が濃くなりわからないので乾いた時に初めてどの程度色が抜けたかがわかります。

あまり色自体は抜けていませんが、これは想定内です。
水色になるまで色が抜けたって股引、腹掛けは今のところ一点も無いんです。

今回は藍ではないこと前提で2度目の色抜きをしたため、かなり赤っぽい色が治まっています。

紺に近い色になったんじゃないかな。

全体的に擦れ感(使用感)も出たので、予想と同程度の色落としにできています。


◆藍ではない染めの色抜き

こちらも藍染めとして作られた法被です。
でも、パッと色を見てインディゴ染め、藍染めではないと思います、とお伝えした法被です。

藍として注文して藍ではないことがいい悪いは関係なく、当店としてできる事と想定される変化をご説明させて頂いてます。

色落としをご希望されるお客様のほとんどは、まっさらな新品状態では使いたくないと言われます。

あと、赤っぽい色が見える法被はあまりにも不自然で、昔から藍染めを愛用している方からすると赤みがあったら使えないと言われます。

なぜ赤みがかってしまうかというと・・・紺色を混ぜて作る場合、青に赤を混ぜて作っていくからです。

こちらもまずは藍としての色抜きをし、状態を見て再度色抜き工程をしています。


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藍ではない染めの色抜き 仕上がり

真ん中画像を見比べて頂くと紺色がかなり薄くなっているのがわかると思います。
白柄が色落としした後しっかり透けて見えています。

今回は藍染めの色抜きでは色は落ちませんでしたので、使用感が出るように条件を全く変えて色を落としています。

物理的に色を落とすにはどうする?そんな感じで色落とししています。

これが新しく色落としに加わった方法になります。

水色系の色が出てくるのではなく、単純に濃かった紺色が落ちて薄くなった色になっています。

ぱっと見は白化というか白け感というか使用感が出た感じの色落としになります。


◆藍染めハッピ 色落とし まとめ

格子柄などが入っている場合、色が滲んだりしないか?って心配される方もいらっしゃいますが滲みが出ることはありません。

下地染をインディゴ、その上に違う色を乗せられていたりなど、染色方法は作った人以外にはわからないと思います。

一時、お受けした法被の状態があまりにもひどい状態になったため、私自身が購入店へ持って行ったことがあります。

お客様としては4万円近い価格で作られてた新品なので、お店にはオーダー先を教えてくれれば直接交渉します、と伝えましたが、情報は一切教えてはくれませんでした。

店主としては数十年前に藍染めの法被を見ただけで、最近は色合いが変わってきたなぁ・・・とは思っていた、との事でした。

店主自身が今年は間に合わないけど、このお客様に対してはちゃんとした藍染めの法被を一着あつらえさせて頂くから、という事で話が付きました。

ですが結果的には、お客様ご自身がもういいから・・・という事で作られなかったとの事でした。

私自身も良い勉強させてもらえたし、考え方も少し変わりました。

私としては、私が出来ることをやっていくだけです。

藍染めとして注文しているのに詐欺だろ・・・って言われる方もいらっしゃいますが当店には直接関係なく、販売するお店も中間業者である場合もあります。

どんな作られ方をされていようと、それをどうやって処理していくかを考えご希望に沿った結果を導き出す事が当店の仕事なんです。


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