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形見分けのお洋服 ヘルノロングダウンコート~ライフタイムクリーニング~

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。

「ライフタイムクリーニング」

おしゃれ工房You友の理念です。

お客様の生涯に寄り添って(ライフタイム)身に着けるモノを衛生的に、綺麗に長く愛用できるお手伝いをしていく事。

店主である私がしてきたこと、これからもやっていきたい仕事です。

このヘルノダウンは私が高校生の頃、家業を手伝うために学校にバイクの免許を取る許可を貰い、初めて集配でお届けしたお客様のお洋服。

だから、このお客様と初めてお会いしたのは16歳の時なので40年以上お世話になったお客様です。

おしゃれ工房You友を開業した時も、独立開業したとご挨拶をした時、父のところではなく、私はあなたにお願いするわ!と言ってくださったお客様です。

靴からバック、お洋服から和服、知り合いの困った服を預かって出してくれた事もあります。

お洋服や持ち物を生涯寄り添って綺麗にしていく事ができたことをとてもうれしく思い、最後までYou友を頼ってくれたことを誇りに思います。

◆ダウンの光沢が無くなる原因

今回は、娘さんが形見分けしたいからとお気に入りだった服を61着お預かりしました。

晩年は施設に入られており、、クリーニングも施設でお願いしていたため服の状態的にはかなり・・・

娘さんも服を見て酷いでしょ・・・っておっしゃっていました。

娘さんに迷惑かけないようにと、本当に気に入っていた服は近くのクリーニング店でいいから出してほしいと言われ出したところ、、、娘さんが見かねて当店に何度も持ってこられました。

その中から、まずは一着、
ヘルノダウンですが、ハイブランド品としてお受けしたダウンも同じように仕上げていますが、今回は気持ちの入り方が違うかな・・・

お客様の形見分けのこの服を手にした方に喜んでもらえるようにと思いながら仕上げています。

ペチャンコになると嫌だからアイロンかけないでほしいと・・・受付時に言われたことがあります。

以前、膨らみが無くなって戻ってきたことがあるとおっしゃっていました。

薄手のナイロン素材ダウンはモンクレール、デュペチカ、ヘルノ等にもよく使われますが、着て座ったりすると細かな座りしわ、腕の肘辺りも折れシワが必ず付きます。

シワになった部分は光沢もなくなるしハイブランド品がシワシワって価値が無くなりますね。

表面のしわは羽毛のふくらみをなくすことなく仕上げることができます。


ふっくら!ダウンクリーニング~羽毛を傷めない新しいドライ洗浄方法~

ダウンをぺちゃんこにしないアイロン仕上げ

アイロンをかける場合、ダウンを手で叩いて膨らめ、ダウンをつぶさないよう表面のみにアイロンを当て仕上げていきます。

四角く縫い目があるため、この工程を一マスずつ繰り返してい仕上げていきます。

モンクレールのダウンなど、お尻辺りのシワがかなり酷く付いているもの結構あります。

この工程はチェーン店ではどんなコースで依頼しようとできない工程です。

ハイブランドダウンは高額品だからと高額な設定にしているけど、品質が付いていかないってありますが、仕上がりを確認すると一目でわかります。

このタイプのダウン製品のシワは新品同様とは言いませんがかなりきれいに伸ばし仕上げることができます。

「なんか、綺麗になった!」って言われるのは、お客様ご自身は汚さないように着ていても、光沢が綺麗に戻っているからです。

この一点を紹介するために丁寧に仕上げているのではなく、ブランド品としてお預かりしたダウンはすべてこの工程で仕上げています。

だからこうして仕事を紹介できるんです。

◆内側、見える部分、見えない部分の仕上げ

こちらは内側、引き連れです。
生地が薄いため、ちょっとした引っかかりがあると線状に引き連れを起こしたりするって良くあります。

このヘルノダウンは10年以上お手入れしてきましたがここまで広く引き連れ起こしているのは初めてです。

表生地を傷めないようにと裏返しにして洗ったのかもしれないけど、ネットには入れられなかったのかな・・・

そんなこと思いながら・・・この引き連れも目立たないように仕上げしながら収めていきます。

ムーレーダウンクリーニング~羽毛も表生地も傷めない当店独自のオリジナル洗浄法~

裏地も一通りアイロン仕上げしていきます。

先にも説明したように、一マスずつ仕上げていきます。
画像を見て頂くと縫い目の上下に引き連れがありましたが、縫い目の下側だけ目立たなくなっています。

引き連れ自体は直すことは出来ませんが目立たなくすることは出来ます。

ただし、使っている間にまた目立つようになるかもしれませんが、着る時には目立たなく納まっていると思います。

あくまで直すのではなく、できる限り目立たないように仕上げながら収めていく、です。

◆ブランドロゴに名が・・・しみ抜きで除去

ブランド品ってこのロゴを大切にしている方多いですね。
このロゴはブランド品の命だと思っています。

施設の場合だと、間違えたり紛失したりしないようすぐわかるところに名前を書くのはわかりますが・・・

悲しかったんじゃないかなぁ・・・

ゆうゆうではブランドロゴはどの服でも汚れないよう毎回しみ抜き掛けて洗ってきましたから。

このコートを手にする方もここに大きく名前が書かれていたら・・・
という事で、しみ抜きして名前を除去していきました。

依頼された娘さんもこのロゴの名前はとても残念に思っていたようですが、綺麗に取れたのを見てとても喜んでいました。

今回は綺麗に取ることが出来ましたが、ペンの種類によって取れるモノと取れないモノがあります。
クリーニング店で使っているペンはドライでも水洗いでも落ちないよう作られているので、専用のマーカーで書かれてしまうと綺麗に落とすことは出来なくなります。


カナダグースダウンクリーニング~羽毛の臭い取り~

◆内側だけど着ると見える部分

衿元等、着る時に折り返す場合は着ると表に出るため見えます。

特にフードが付いている場合、画像のようにフードの内側も表に見えるようになります。

衿って一番見える部分だけど、この部分がシワシワヨレヨレになっているってよく見かけます。

使っていけば当然しわになると思いますが、クリーニングに出して最初に着る時くらいは綺麗な状態で着たい。

お洋服が好きな方は皆さん同じ気持ちじゃないかな。


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◆ブランドダウンまとめ・価格に見合った品質かの見分け方

このブログでご説明、ご紹介してるのは「おしゃれ工房You友」としての仕事です。

ブログを書くために、この一点を特別にやっているわけではなく、これが当店が普段からしている当たり前の仕事です。

ブランド品としてお受けさせて頂いた場合の仕事になります。

ハイブランドダウンは高額だからかなり高めの設定にしているお店も増えてきました。
チェーン店でも地元だとブランド品専門の店へ依頼するとの事でかなり高額設定としている会社も出てきています。

けれど、価格に見合った品質になっているかの判断が一番難しいところだと思います。

ダウンってお客様が思っているほど「ヤワ」ではないんです。
天然の鳥の羽が入れられていますので、どこの国の基準でも羽毛を85℃以上の高温で20分以上の殺菌が行われています。

それでもダメにならないのが羽毛です。

それなのにダメになる場合は羽毛の羽軸に残されているオイルが完全に取り切られてしまう事。
取り切られると羽毛は広がらなくなりダメになります。

だから、お店で説明を受ける場合、羽毛を脱脂しないような洗い方法で洗ってくれているかどうかが一つのポイントになります。

「水洗いがいい」とか「ドライクリーニングではダメ」とよく言われますが、どうしてダメなの?が重要。
洗う側はどうしてダメになるかをわかって羽毛を傷めない方法で洗ってくれます。

ドライクリーニングは脱脂されるから羽毛が傷むとよく言われますがそんなことは無いんです。

当店は脱脂され広がらなくなった羽毛に油分を入れる新しいドライクリーニング方法で洗っています。

何十回ドライクリーニングをしても絶対に脱脂されることは無い、当店独自の技術です。

よって水洗いでもドライでも、羽毛を傷めることなく洗うことができるんです。

それともう一つは仕上げ。
依頼する前にシワのなり具合を確認しておくといいでしょう。

肘の折れ曲がる部分、お尻の座りしわ等、光沢のあるナイロン素材なら綺麗に仕上げてもらうとシワも伸び光沢が蘇っています。

今回ご紹介したような仕上げ方法だとすべてを細かく分けて手仕上げいていくため、1着仕上げるのに早くても15~20分程度はかかってしまいます。

当店の場合、両面をアイロン仕上げしていますから。

でもハンガーに吊るし機械仕上げのみであれば数十着あっても数分、一点ずつ機械に着せて仕上げる方法でも1着1分もあれば仕上げることができるんです。

機械仕上げだと表面のみをアイロンでしわを伸ばすような作業は出来ないので、シワは残ったまま戻ってきます。

したがって、高いから安心、ではなく価格に見合った品質で洗い、仕上げてもらえているかが大切です。

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