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シルクの変色黄ばみ取り~使えないけどしまっておいたお気に入り半襟~


今回の正絹半襟 全体の黄ばみ変色取り
参考価格

12000~15000円(税込み13200円~16500円)

どこにも受けてもらえない、断られる事例は基本現物を拝見してからのお見積りとなります。
工程、リスクなども違うため現物を拝見し個別にご説明させて頂きます。

◆相談できる場所がない・・・

静岡県 浜松市 クリーニング しみ抜きのお店
おしゃれ工房You友(ゆうゆう)店主 大友 眞吾です。

しみを落としてほしい!クリーニングに出すのが心配・・・ そんな服が依頼されるお店です。
クリーニングで落ちないシミでも95%以上の確率で落とせるお店。
15回以上テレビ取材も受けている技術のお店です。


今回は思い入れのあるモノ、とてもお気に入りだけどシミ、変色が出て使えないけど相談できる場所がない・・・そんな事例としてご紹介です。

使えないほど黄ばみ変色などが出てしまった半襟です。
最近の新しいお客様ですが、口コミで当店を知り試しにプラダの革キーホルダーなどクリーニング店ではできないと思われていた物数点をお預かりし、綺麗になり感動してくれたお客様です。

これはどう?何とかなりそう??という感じで大切にしてきたけど使えない状態となっているモノを順番に相談頂いています。

この半襟もとても気に入っている物という事でご相談頂きました。

服でも同じですが、シルク製品ってシミが付くと落としてもらえない、汗をかくと汗すら落としてもらえない、そんな素材になります。
ブラウスなどは普通の感覚で使ってしまうと2~3年程度で汗による黄ばみなどが出て使えなくなってしまう、そんな素材。

個人クリーニング店でもシルク漂白までできるお店はとても少なくなります。

今回は5枚の半襟をお預かりしましたがすべて正絹です。
クリーニングに出してはいたけど首元に当たる部分の黒ズミは黒くなっていくし黄ばみも出てきた。

しみ抜きで依頼してもこれは落とすことができないと言われずっとしまってあったという事でした。

画像だとカメラが補正をかけてしまうため黄ばみ変色があまりよく見えないかもしれませんがかなり黄ばんでいます。

シルクは使わずおいて置くだけでも空気中の酸素による酸化でどんどん黄ばんでいく素材。

これが落とせないと言われるのはある意味仕方がないかな、と思います。

どこも断られる状態でも相談してもらえるお店がおしゃれ工房You友です!

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クリーニングに出してもエリ部分が変色していくのは何故?

クリーニングに出す事がお手入れ(洗濯)の最上級、って思っていたって方がとても多いんです。
クリーニングの説明をさせて頂くと驚かれる方、そうだろうなぁとは思っていたなど・・・

特に和服クリーニングは特別な洗い方で出しておけば汚れもシミも汗も落ちて安心してしまえるって思っている方がとても多かったりします。

今回は半襟ですが、洗うだけではエリの皮脂、汗などは落ち切らずに残ってしまいます。
クリーニングに出しているのに首に当たる部分の黒ずみ(皮脂汚れ)が酷くなっていくのは皮脂を落としてもらえていないからです。

半襟は飾り装飾目的だけではなく汚れが着物に直接つかないようにするためでもあります。
仕事で数日着用するような場合、半襟を2~3枚重ねて縫い付け、使い終わったら翌日は一枚外して使ったりします。

ちゃんとしたお手入れをしてくれるお店へ依頼出来ていれば、少なくても線状に黒ずんでいく皮脂汚れは残さず除去してもらえます。

服でも着物でもこうした小物類でも、的確なお手入れをしてくれるお店へ依頼出来ていればとても綺麗に長く愛用できるようになります。

全体の黄ばみ変色が酷かった2枚

画像だと補正がかかるためかなり酷い黄ばみもあまり見えない・・・・
刺繍がある方は二つ折りにしてしまってあった上側の部分がおり曲げ部分を境目に黄色く黄ばんでいます。

これは折った部分の段差は残るかもとご説明しています。

白い方はムラムラになりながらかなり濃く黄ばみが出ています。

この2枚は使えるレベルまでできるかどうかはやってみないとわからない。

それでも、やってみて欲しいという事でお受けしました。

経験上、かなり手間と時間がかかります。

かかってしまうリスクと時間がかかる理由も含め、ご説明していきます。

◆古い「紙」のカビ、黄ばみを除去した経験から

生前、お母さんが刺繍して作った形見のタペストリーの裏側に張られた「紙」のカビ、黄ばみを除去した時に得たスキルがとても役立っています。

TVでも放映されましたので下記にリンクを貼っておきますので是非ご覧ください^^

シミ抜き、つけ置き漂白、といっても方法は無限大にあります。

素材と状態に合わせて、とよく見たり聞いたりするかと思いますが・・・
状態というのは単純に汚れ具合とかシミの範囲など、しみ、汚れの状態だけではなく購入して間もないもの、数年程度使っているモノ、数十年昔に購入しているものなど考えています。

薬剤の強さ、PH、熱処理をする時の温度、水分量、時間。

単純に漂白=漬け込み漂白、と思われがちですが、丸ごと水、お湯に漬け込む事で起きる事、水分量を抑えることで防げること、一気に取っていくのと時間をかけていく事でかかる繊維への負担等など・・・

これらの経験は人から教えてもらえるような事ではないので、経験しながらスキルを身に着けていく事で、できない、取れないと言われる汚れ、シミなども除去することができるようになってきました。

今回の半襟も、お見積りが12000~15000円でしたが、5枚あるので最低でも6万円はかかりるお見積り。

買い替える事はできないモノだから金額はかかってもこの半襟をできればきれいにしてもらいたい、ダメになってもいいから試してほしい、そんなご依頼です。

経験からダメにしてしまうリスクをできる限り排除してできる限り綺麗にしていくための方法として取り組んでいきました。

水分を含ませると繊維は膨張します。
お風呂に入ったあとの手を見るとふやけてぶよぶよと皮膚膨張します。

この時、強くこすったりすると手の皮が破れたりします。
同様に繊維も膨張すれば弱くなりなります。

数十年前のシルクですので負荷をかけないよう動かさずに汚れを落とし、動かさないように黄ばみも除去していくための方法。

古い掛け軸の書なども同じような形で処理されています。
私自身も古い書のカビ取りをテレビで見て、自分の仕事に取り入れた方法の一つです。

使っている薬剤は違いますが、今回は紙ではないので一番良いと思う方法を選択しています

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◆刺繍の色を落とさず滲ませずに

一番色鮮やかだった刺繍入り半襟です。
本体は正絹ですが刺繍糸の素材はわかりません。

糸の切れ端があれば確認テストできますが取ることはできません。

こういった場合は一番危ない素材を想定してやっていきます。
このお客様の持ち物を考えるとかなり高額品ばかりなのでシルク刺繍されている可能性が高い。

先にTVで放送されたタペストリーの刺繍もシルク糸が使われていました。
シルクは繊維自体がデリケートで色落ち、色滲みがとても出やすい素材です。

タペストリーの経験から注意点と限界ラインがわかっています。
もし色が滲んだ時でも対処方法としてほぼ落とす事できます。

この状態でやっていく事で色の糸が他の部分に移ることは防ぐことができます。

色滲みが起きないよう色止め処理、水分量、使う酸化剤の濃度から時間まで管理し様子を見ながら取っていきました。

どの程度綺麗にできたかは画像を見て頂ければわかると思います。

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残りは比較できるよう並べてご紹介

首に当たる部分の黒ずみが酷かった一枚です。
クリーニングにしてもしみ抜きにしても基本的な考え方は同じです。

家庭では洗っても落ちないシミ、汚れはオキシクリーン(粉末酸素系漂白剤)でつけ置きってされる方が多いのですが・・・

油汚れははたとえ漂白などしても落ちないんです。

まず、油汚れを落とす。
油汚れは水を弾くため洗濯する時の洗剤では油汚れに洗剤がはばまれ落ちないんです。

シミなどは服に付くと時間と共に比重順に分離します。
油は比重が軽いためシミの一番上に膜を作ってしまうため、水溶性汚れも膜に洗剤が弾かれ落ちなくなります。

まずは黒ずんでいる部分、全体的に付着しているだろう油性汚れを除去し、水溶性汚れを洗剤で洗い除去。

変色を除去するための酸化剤は汚れに対しても反応し効果が取られてしまいます。

酸化=腐食なのでできる限り腐食具合を勧めないよう酸化剤の量を減らし、効果を最大限に出していくため酸化物(汚れ)を除去しています。

結果は画像を確認してください^^

刺繍の色を褪せさせないよう全体漂白

刺繍の色は薄い(淡い)ので、濃い色と比べると色滲みなどは起きにくいのですが、白、同色の濃淡の色を重なった状態で刺繍されています。

滲みが出ると色がぼやけてしまうので赤い刺繍の時と同じように色止め(フィックス処理)からやっています。

赤い刺繍の時も同じですが、刺繍糸の周りの白いシルクも同じように漂白していかないと刺繍周りだけ黄ばみが残った状態になりせっかくの刺繍が際立たなくなります。

本体の黄ばみムラもほぼわからないレベルまで除去でき刺繍糸も色もほぼ変わることなくシルク漂白ができています。

黒ずんでいた皮脂汚れ跡は皮脂を落としたあと、汚れによる焼けが残っていましたがこちらもほぼ除去できました。

もう一枚 正絹刺繍入り半襟

説明的にはほかの刺繍入り半襟と同じです。
この半襟も全体的な黄ばみが酷かった状態。

刺繍に影響が出ないよう白いシルク生地を漂白していきました。

今回、5枚シルク漂白をしていったわけですが、やっていくごとにもっとこうすれば、ああすればといった考え方や方法が浮かんで出てきます。

少数では起きない不具合が数を重ねると出てきたりもします。

これらの経験は失敗ではなく次に生かすことができればスキルアップしていくことができます。

断るより受けていくのは自分でやってみなければスキルアップもできないからです。

◆正絹半襟 変色黄ばみ取り まとめ

最後に白い半襟です。
刺繍もなく白なので色落ちの心配もありませんが、5枚とも同じリスクとして生地の性抜けがあります。

最近の若い方だと「性抜け」と言ってもわからない方が多いかな。
生地が酸化腐食により弱くなりひっぱると破れたりするようになる事を「生地の性が抜ける」と言います。

乾いた状態では軽く引っ張る程度では何ともないように見えても濡れると途端に破れたりしみ抜きすると生地が溶けるようになくなり穴が開いたりすることもあります。

台所で使っているお布巾など、塩素で殺菌を何回か繰り返していくと、絞った時に繊維がブチブチって切れたりします。
これも塩素により酸化腐食が進み性が抜けてしまった状態ですが空気中の酸素によりゆっくり酸化腐食が進んでいくため長い年月が過ぎると性抜けが起きてきます。

綿、麻、レーヨン、シルクなど天然繊維は性抜けが起きる素材。
その中でもシルクが一番性抜けが起きやすい素材になります。

この酸化は酸化物(汚れ)に付着量が多いほど早く進むため、服の場合だとエリ、脇など皮脂、汗が付着する部分が真っ先に黄ばみ変色が出てきます。

今回の半襟も数十年前に購入されたもので黄ばみ変色などかなり起きてしまっている状態。

繊維自体の性が抜けていたりなど、綺麗にするための工程に繊維が耐えられない状態まで酸化腐食が進んでいると破れたり穴が開いたりしてしまいます。

今回の一番のリスクはこの部分。
色滲みなどはかなりまで対応できるのですが、生地が破れたりしてしまったら直すことができなくなります。

一度のシミ抜きでは取れないもの、一度の漂白では綺麗にならないものがあります。

もっと強いシミ抜きをする、漂白をしても取れず繊維を傷めるだけになることもあります。

強いシミ抜きをしても取れないのに、繊維を傷めないよう弱いシミ抜きに切り替え今度は時間をかけてみる。
するとかなり弱いシミ抜きなのにシミが取れたりする。

時間をかける、酸化剤を付けて時間をかけ空気中の酸素も利用して酸化分解をゆっくり進めることで全く取れなかったシミが取れることもある。

しみ抜きでお預かりし数か月の時間がかかってしまう事もあります。

時間をかける事でできる事、時間をかけることで生地を休ませることができ、繰り返ししみ抜きを重ねていく事で少しずつ取れていくモノもあります。

こうした時間と手間が掛けられるのは、手間も考えたお見積りを出させて頂けるからです。

今回も使えるレベルまで綺麗にできた場合のお見積りとして出させて頂き、ダメになるものが出る、使えるレベルまで変色が除去できない場合は代金は頂かない「成功報酬」でお受けしています。

途中、めんどくさそうな作業工程を載せていますが、ダメになったらどんなに手間をかけても代金は頂かない。

代金が欲しかったらダメにならないように綺麗にしろ!

おしゃれ工房You友(ゆうゆう)を開業してからずっと言い続けてながらやってきたことが実っています^^

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